サッカーの対チュニジア戦でエジプト人サポーターが狼藉を働いた事件で捜査開始、各方面が非難と謝罪を表明
2011年04月04日付 Al-Ahram 紙

■軍最高評議会、ザマーレクの試合で150人の逮捕者が出た事件の調査を法相に要請

2011年04月04日付『アル=アハラーム』紙

【カイロ:イサーム・アブドゥルカリーム、マムドゥーフ・シャアバーン、ハーリド・イッズッディーン、サミール・アッ=サイイド】

軍最高評議会は一昨日の晩、[エジプトのサッカークラブチーム]ザマーレクとチュニジアのアル=アフリーキーの試合中、カイロ・スタジアムで起きた暴動・破壊行為を非難し、法務大臣に調査のための高レベルの委員会設置と、審判員や選手への侵害行為やスタジアムでの騒擾と破壊という今回の事件の関係者・責任者すべてに対する尋問を要請した。また軍最高評議会は崇高な国民に対して、エジプトやその偉大な人民の名誉に大きく影響を及ぼすこうした負の行為に立ち向かうことで、それが国の安定や発展を阻んだり、あるいは通常の生活に戻るために必要な経済の振興に悪影響を及ぼしたりするような事態を防ごうと呼びかけた。

試合中に起きたこの事件の直後、警察は軍事警察の協力も得て、150人の容疑者を逮捕した。担当部署の説明によると、容疑者らは暴動・破壊行為や国民への脅迫、武器の所持、公的・私的施設の破壊といった、複数の容疑をかけられているという。

またイサーム・シャラフ首相は広範囲に及ぶ調査を求め、昨日にはこの試合の審判の母国アルジェリアのイブラヒーム・バドラーン大使と、チュニジア大使代行のターリク・アル=アダブ氏に面会した。2人は早急にチュニジア国民に謝罪するという、首相の素早い対応に謝意を表明した。また国家スポーツ評議会のハサン・サクル議長は、チュニジアとアルジェリアの両国民に遺憾の意を表し、サッカー連盟のサミール・ザーヒル会長およびザマーレク・クラブのガラール・イブラヒーム会長を伴ってチュニジア大使館を訪問、チュニジア大使に公式に謝罪した。

マンスール・イーサウィー内務大臣は昨日午前、チュニジア内相に連絡し、遠征チームおよび同行したサポーターの無事を伝えた。そして「今回の事件は、エジプト国民全体を代表しているわけではない一部の者が起こしたものである」と述べ、事件に対する遺憾の意を表明した。一方、外務省もチュニジア側に深い謝罪の意を改めて示した。またムハンマド・アブゥドゥルハカム外務大臣補佐官は、「リビアからチュニジア国境を通って帰国しようとした7万5千人のエジプト人をチュニジアが支援してくれた」と述べた。

革命青年連合は試合中に起きた暴動事件を非難し、昨日午後、エジプト国民からチュニジア国民への謝罪を表明するため、チュニジア大使館前でスタンディング・デモを行った。

また革命青年連合は4月6日青年運動と合同で、エジプト国内リーグを今年末まで中止とすること、各クラブの収益をエジプト経済のために役立てること、治安当局が安全を確保できるようになるまで国際試合を取りやめることを要求した。4月6日青年運動は声明で、チュニジアとエジプトの革命を歓迎する横断幕を世界中の人々に見えるように掲げたのは、エジプトサッカーのサポーターたちに他ならないと指摘した。

革命信託者評議会[=革命を主導した若者たちの一部が知識人を中心に立ちあげた組織]は、国家保安局や国民民主党の残党が国を無秩序状態に貶め、1月25日以前の状態に戻ることを求める世論を創出するために、事件を事前に計画したとする説を否定しなかった。

一方、アレキサンドリア革命青年連合は、今回の暴動は無秩序や破壊行為を頼みとする反革命計画の一部であるという考えを表明し、「今回の事件は、汚職に関わった者たちや前政権の中心人物たちを裁きにかけ、国民民主党を解散すべきだとの我々の主張をますます強めるものだ」と述べた。

サッカー連盟のザーヒル会長は、ひとまずリーグ再開の延期を決定したことを確認した。

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( 翻訳者:秋山俊介 )
( 記事ID:22028 )