トルコ政府、リビアの負傷者をトルコ国内に移送
2011年04月06日付 Zaman 紙


近年、遂行した危険地帯での人道支援活動により世界の賞賛を浴びているトルコ政府は、国内の混乱が続くリビアから321人の負傷者を治療のためトルコへ移送した。

11日前リビアに医療物資を届けたフェリボート・アンカラ号は、昨日(5日)午後、トルコのチェシュメへ到着した。ミスラタとベンガジから移送された470人を、オスマン・ギュネシ内務相とレジェプ・アクダー保健相が出迎えた。到着したけが人は、まず船に乗船していた医療チームにより診療をうけ、その後、港に設立された野外病院へ運ばれた。港ではトルコ国旗がふられていた。負傷者の一部はその後チェシュメ、セフェリヒサル、ウルラにある病院へ、重傷の患者は2台のヘリコプターでイズミルにある病院へ搬送された。子ども1人を含む9人の負傷者は、軍の輸送機にてダラマンへ移送された。

重要な任務を遂行したと述べるアクダー保健相は、「我々が今日ここで行った人道支援活動やそれに類する行動により、トルコはその分野でほぼ1番の国となった。この任務を遂行する人員と組織能力により、トルコが果たす役割は世界で 、そして国連の賞賛を受けている」と評価した。負傷者も「私たちをリビアから救ってくれたトルコには何千回も感謝します」と述べ感謝の意を示した。リビアへの人道支援の枠組みでは、4日にも参謀指令本部より提供された3機の飛行機を使って、保健省より設備が完備された病院、ストレッチャー70台、19人から成る医療チーム、新月社より18トンの薬と医療物資が送られた。

リビアへ向かう際に約200人の負傷者を移送する計画を立てていたフェリボート・アンカラ号は、321人の負傷者と共に帰還した。同行者と避難目的で船へ乗った158人のうち21人がトルコ人、29人が外国人、108人がリビア人である。負傷者のためチェシュメの港で24人用の野外病院が7つ設立された。さらに救急車169台、医療関係者500人、警察500人、2台のヘリコプターと食料スタンドが準備されていた。現場で活動を視察したアクダー保健相は、どの負傷者がどの病院へ搬送されるのかが前もって明らかにされ、負傷者と病人全員に患者カードが製作されたと説明した。


■在ベンガジトルコ領事館で醜い襲撃

フェリボート・アンカラ号でイズミルへ移送されたリビア人がその手にトルコ国旗を持ちトルコへの愛を示していたちょうどその頃、反体制派の中心地ベンガジではというと、正反対の景色が見られた。在ベンガジトルコ領事館の前に集まったリビア人の1グループは、エルドアン首相が反体制派を支持せず、反体制派への武器供与に反対したという理由で抗議活動を行った。2月17日若者革命の主導者らにより行われたデモで、約1000人がエルドアン首相に対し、「リビア国民側につくこと」が呼びかけた。トルコが反体制派によって結成された「リビア国民評議会」をリビアの正式政府として認めるよう要求がなされた。手にナイフを持った数人はというと、建物の入り口で領事館の看板を力ずくで外し、ドアを蹴り、領事館に掲げられているトルコ国旗を降ろそうとした。トルコからのいかなる援助も受け入れないと述べたグループは、国旗が降ろされないのであれば無理やり降ろすと脅迫した。

アリ・ダヴトオール総領事はというと、「国旗を降ろすことはできません。彼らにも国旗を降ろす勇気はないでしょう」と述べた。ダヴトオール総領事が反体制派によって設立された暫定評議会関係者と会談を行った後、同地域へやって来た数人の反体制派は群集に向かい分別をわきまえるよう呼びかけた。
領事館の特別機動隊は、襲撃の可能性に備え待機している。領事館では8人のメディア関係者を含む36人がいる。昨日ベンガジの港に寄港した赤新月社の支援船に貨物を降ろす許可が出ない中、トブルクとデルネの2都市でもトルコに対するデモが行われたと報告された。

■トルコは、リビア反体制派との対話のために特別使節派遣

アフメト・ダヴトオール外相は、エルドアン首相のメッセージをべンガジの反体制派に届けるため、元リビア大使オミュル・ショレンディル氏が特別使節としてベンガジに送られたと発表した。エルドアン首相が、リビアの反体制派への武器提供に反対して以来、特にベンガジでは、反トルコのデモが続いている。この地域をよく知る特別使節のショレンディル氏は、ベンガジの反体制派リーダーと直接面会する予定である。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:釘田遼香 )
( 記事ID:22048 )