大学入試センター長、「新システムにはミスはつきもの」―高等教育資格試験スキャンダル
2011年04月07日付 Hurriyet 紙

デミル大学入試センター(ÖSYM)長は、メディアに渡された問題冊子が拙速に準備されたものであったことを認め、「メディアに渡された冊子で明らかにされた(回答の法則性のある)一致は、メテクサン印刷所のコンピュータ技術者たちのやったことです」と言った。

大学入試センター長のアリ・デミル教授は、高等教育資格試験(YGS)に関する議論に関連し、昨日、出版各社のアンカラ代表と一同に会した。デミル氏は「行政裁判所が高等教育資格試験(YGS)を無効とした場合、これを尊重します。また、試験をなるべく早く行う予定です」と話し、要約すると次のように述べた。

■ 新型車に故障はつきもの

「この件でまだ経験が余りないのです。試験問題のデジタル印刷は初めておこなった試みです。たとえば新型モデル車が生産された際、故障がありうるということは承知の上です。これもそのようなものです。高等教育資格試験(YGS)の1か月前に、(問題の漏えいがないか)、諜報や安全警備の関係者に依頼もしました。一つも否定的な報告はありませんでした。私たちが採った対策は、十分で抑制のきいたものでした。政治的な問題に発展したくはありません、なぜなら私たちは独立した協会だからです。」

■ 印刷所からはゴミすら出ない

「試験20日前、印刷所は『外部との通信遮断期間』に入ります。この間100種類近く妨害電波が作動しています。電波通信はできなくなっています。全ての出入りはカメラに記録されています、中から外へゴミすら出せません、飲食物は中身の確認を終えてから中に入ります。ビルには外に向いた窓が一つもついていません。窓は天井にあります。ここへの出入りを認めるのは、大学入試センター(ÖSYM)長のみです。ここに私でさえ携帯を持って入ることはできません。」

■ 一位、二位の問題用紙は見ることができる

「現時点までに、試験を受けた140万の受験者の解答用紙を確認しました。その結果を2010年のものと比較しました。試験の無効が必要とされる状況はありません。皆さんは、受験者の、一位、二位、もしくは五位の人の問題冊子がどれだか、確認することができます。」

■ 全受験者に手紙を書きます

「メディアに渡された問題冊子は問題のマスター版ではありません、受験者に配られた問題冊子ではありません。余計なことをしてくれたものです。ちょっとした経験不足の結果、正解の選択肢をそのままにして、それに間違った選択肢を混ぜて、マスター版から別途作られた新しい問題冊子をメディアに渡しました。それをインターネットのサイトに掲載しました。この問題冊子が想定しなかった結果を生みました。これはどの受験者にも配布しなかったものです。全受験者にこの過程を説明し、6月18日の第二次試験に集中することを望む手紙を書くつもりです。全問正解の受験者の用紙を点検しましたが、疑いを感じさせるようなものは何もありませんでした。世論には信頼していただきたいと思います。入試センター(ÖSYM)はこれに応えるだけのことをしています。」

■ 同じ方法を二次試験でもおこなう

「私たちも20年間来続けて来たのをそのまま続けて、4冊の問題冊子、もしくは10冊の問題冊子を作ることができました、それはとても簡単なことでした。いま起訴状を読んでいます。カンニング事件では、受験生がトイレに行き、どの問題用紙を貰ったかを(携帯で)誰かに伝え、もう一度トイレに行き、正解を(携帯で)聞いていました。これを阻止するためのただ一つの方法がデジタル試験です、受験者個別の問題冊子の配布です。同じ方法を第二次試験でももっと進展した方法で行います。」

■ デジタル試験を行いたい

「試験をデジタル環境で行いたいんです。問題冊子がアンカラで刷られ、トルコ全土に送られるのは良い方法と思えません。地方ごとに印刷するか、デジタル環境で試験を行なうのがいいでしょう。第二次試験では、メディアに渡すコピーに同じ過ちをおかすことはありません。メディアに渡すコピーでも、答えの選択肢の正解と不正解がランダムに並ぶようにします。」

■ 高等教育資格試験(YGS)の結果を早く公開します

「2010年には14の試験を行いました。36年間できなかったことをやり、入試センター試験(ÖSYM)の法律を出しました。この法律は、正解を漏らした協会関係者に対し入試センター試験(ÖSYM)長も含めて8年の実刑を科すものです。この法を制定した後、あの「公式」と言われる、あの単純なミスをおかし、メディアに配布してしまったのか悔やまれます。高等教育資格試験(YGS)は、結果を受験者に以前より短期間で公開します。全受験者の答えは違います。全て(a)、全て(b)のようなことがないように、n個の答の入る異なったデザインの解答用紙もつくりました。しかしこのデザインの解答用紙に、選択肢が同一な別々の問題を入れていくと、170万の異なった解答用紙ができます。受験者の答えは受験者ごとに違います。解答用紙とともに、正解も、各受験者に配られます。」

■ 大学入試センター長との質疑

「女子学生が一つの会場に集まったのはなぜか?」
エユプで3万の受験者を、別の場所で受験させねばならなくなった。アヴジュラルに移動する際、男性が優先された。長年(こうしたことが)行われてきた。去年はマルディンでおこった。今後は必ず調整します。

「トゥンジェリで問題冊子が置き忘れられた件は?」
トゥンジェリでは、試験の度に、これが起きるのです。受験者は不合格となります。

「今後の調査は?」
私たちの門は最後まで開かれている。アンカラ共和国検事長の公務員試験(KPSS)と関連した調査もまだ続いている。すぐに結論が出れば私たちも安心する。

「服の制限は?」
試験はただ知識をはかるものです。そのため私たちは受験者の服装について制限を設けたくありません。検査できないようなところもあります。昨年、女子学生が下着の中に携帯電話を入れて試験会場に入りました。探知機を導入する準備をしています。

「前センター試験(ÖSYM)長ヤルマアン氏が畏れる理由は?」
ウナル・ヤルマアンは長年センター試験(ÖSYM)の仕事に従事し、私が尊敬する方です。しかし、ウナル氏は協会に憤慨しています。今はこれ以上、申しあげられません。

「最多値、中央値について」
試験前、学生に「試験で、数学の問題の正解は『中央値』となる」という携帯メッセージが送られたことという疑惑に対し、デミル氏は、「最多値、中央値に関する設問はありませんでした。多くの噂やデマはいつでも耳に入ります」と言った。

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( 翻訳者:畔上曜子 )
( 記事ID:22063 )