高等教育資格試験担当の印刷会社社長、記者会見―「公式」は存在しない
2011年04月05日付 Radikal 紙


高等教育資格試験問題の印刷を行ったメタクサン社のビラル・アルトゥン社長は、設問をランダムにつくるためには、一定のアルゴリズム(算法)と手順があり、この手順については、約4カ月にわたって大学入試センターと協議してきたと述べた。

高等教育資格試験 (YGS)の問題に回答をとく公式(訳者注)があったとする疑いについての議論が続いているが、試験に使われた問題冊子を印刷したメタクサン社のビラル・アルトゥン社長は、どの設問用紙がどの受験者の手に渡るか、どの受験者がどの番号の問題を答えるのか、選択肢が何になるのかは、試験が終わって、印刷所の作業員が外にでるまで、誰も知ることができなかったと語った。

[訳者注:本記事最下部にあるリンクから、前記事を参照ください。]

アルトゥン社長は、一定の公式で数学の問題の多くが答えられるという件については、「これが「公式」であるのなら、26問とか40問だけでなく、残りの全問も同じ理屈でいかなくてはいけない。しかし、実際には160問中の26問、ないしは29問に留まっており、「他の問題には手をださないでおこう」というようなことは意味をなさない」と述べた。

アルトゥン社長は、高等教育資格試験での疑惑に関し、記者会見を開いた。アルトゥン社長は、高等教育資格試験で使われた問題冊子が、「閉鎖期間kapalı dönem」と名づけられた建物で印刷されており、今年、新たに大学入試センター(ÖSYM)から派遣された14人の担当者と一緒に、全ての設問とその回答をデジタル化したとし、次のように続けた。

「このため、全ての設問は、我々が「閉鎖期間」と呼んでいる場所でデジタル化された。その上で問題冊子が作られた。問題冊子の作成にあたっては、ランダムな順番に問題が並べられた設問用紙の問題文と、やはりランダムな選択肢群をつくられ、それぞれの受験者用の問題冊子が印刷されている。このため、外部にいるだれかが、つまり、「閉鎖期間」の外にいるだれかが、設問用紙の番号や設問用紙の中にある問題がどういう順番になっているか、選択肢がどんなものであるかを知ることはありえない。」

■「どの問題冊子がだれの手にわたるかは、誰にもわからない」

アルトゥン社長によれば、こうした作業は大学入試センターから来た担当者と一緒に行っており、あらかじめ決められたアルゴリズムを適応して設問用紙を印刷、製本し、その後、解答用紙と一緒に梱包して、各試験センターに送ったという。「それゆえ、送付された設問用紙が誰の手に渡り、どの受験者がどの番号の問題に答えるのか、回答の選択肢がどうなっているのかは、試験が終わり、「閉鎖期間」で働く人が外に出てくるまで、だれにもわからない仕組みになっている。以上から考えて、いわれている「公式」が意図的につくられ外に漏れていた、それが事前に準備されていたというようなことはありえない」と述べた。

■「意図的なものはない」

メディアに配布された問題冊子における「公式」疑惑については、次のように語った。

「それぞれの受験者には、別々の問題用紙がつくられている。このため各自に、異なる回答用紙がある。例外なのは視覚障害の1000人ほどの受験者で、この人たちには法にもとづき14ポイントの文字で特別な設問用紙が作られていた。この14ポイントの設問用紙は、大学入試センターから持ち込まれた問題文を拡大して作られたもので、問題はランダムに並びかえられていない。このため、995人かそれ以上の視覚障害のある受験者は同じ設問用紙を使ったことになる。そして、これが、いわゆる「マスター版」といわれる設問用紙である。

メディア用に準備された版については、設問用紙が、視覚障害者用のそれと同じものにならないよう、我々の方で、問題文はそのままにし、答えの選択肢の方だけかえて、別の「マスター版」を作ろうとしたことから、問題が起こってしまった。以上のように、意図的に何かが行われたわけではない。これが何かの陰謀だとするのは、間違いだ。なぜなら、そのようなことはないからだ。」

アルトゥン社長は、いろいろ書きたてられているため、こうして記者会見を開くことにしたとのべ、「知っておいていただきたいことは、これらの問題が準備される段階では、どの受験者にどの設問用紙が渡り、どの選択肢が使われるのかを、「閉鎖期間」にいる人をのぞけば、誰もしらない、ということだ。それゆえ、何かの陰謀があるとシナリオを描くことは意味がない」と語った。

その後、記者の質問に答えたアルトゥン社長は、マスター版も「閉鎖期間」の中で印刷されたとし、「それも、3月27日が試験日なので、3月26日に準備された」と述べた。

■「公式」があるなら、160問全部がそうなるはずだ

アルトゥン社長は、いわゆる「公式」で数学の問題の多くで答がでるという件については、「設問用紙は、デジタル化された(問題の)なかから、それぞれの受験者に固有の、ランダムな順番でつくられており、選択肢もランダムだ。これには一定のアルゴリズム(算法)と手続きが取られており、その手続きは約4カ月にわたって、大学入試センターと作業したものだ。問題が公式にもとづいて作られたのなら、26問とか40問とかではなく、残りの全ての設問でも同じ理屈が通用しないといけない。しかし、160問ある数学の問題のうち、26問だけ、あるいは29問だけこれを使い、他の問題はほおっておこう、というようなことは意味をなさない」と述べた。

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この記事の原文はこちら
問題の「公式」については、こちらを参照
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( 翻訳者:トルコ語メディア翻訳班 )
( 記事ID:22070 )