2010アメリカ人権リポート、トルコをめった切り
2011年04月09日付 Hurriyet 紙

アメリカ国務省が2010年人権リポートを発表した。リポートのトルコに関する記述は非常に手厳しい。46ページに及ぶリポートでは、特に司法の独立性と出版の自由について激しく批判し、様々な違反を、例を挙げながら示している。リポートの注目すべき部分をまとめる。

司法プロセスを経ない刑の執行:昨年(2010年)トルコでは治安当局が司法プロセスを経ない刑の執行を行った。そしてこうした事件は十分には捜査されなかった。3月11日に警察官のギュルテキン・シャーヒンは、ムーラ大学でのデモでセルザン・クルトゥを殴って死なせた。

拷問:拷問事件は続いている。1月5日にアダナ刑務所に収容されている32人の未成年囚の家族たちが、看守たちが子供をたたいたり、傷口に塩を塗りつけたとマスコミ発表を行っている。

刑務所内の問題:刑務所内環境はそれほど改善されていない。人権ワクフは10月10日以降、刑務所で32人の囚人と5人の容疑者が亡くなったと発表した。

人権侵害:法律に明記されているにも関わらず、容疑者は弁護士とすぐに面会できていない。バルヨズ・クーデター事件をエルゲネコンのような政治的裁判として捉える者がいる一方、政府転覆を図った者たちが裁判にかけられているのだと認識する声もある。

公正な裁判:一部政府関係者や官僚が行った発言が、裁判の独立性に影響を及ぼした。

表現の自由:政府は、憲法そして様々な法を根拠として、表現の自由を制限している。

出版の自由:出版の自由は後退している。2月26日エルドアン首相は、メディアを牛耳る一部の実力者らが経済に悪影響を与えていると非難するコラムニストらを追放する必要があると語った。12月2日に国家評議会は、ドアン・メディア・グループに2009年に課した罰金の大部分を止めさせた。

女性への暴力:因習殺人と過度な女性への暴力は再び大きな問題となっている。10月27日以降、政府が設置した緊急電話番号へ電話をしてきた女性は8704人だった。

同性愛者差別:アリイェ・カバフ国務大臣は、3月7日ホモセクシュアルは病気であると定義した。(これに対し)5月16日には300人がアンカラの中心部で同性愛者差別に反対するデモ行進が行われた。

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( 翻訳者:杉田直子 )
( 記事ID:22072 )