米軍のイラク駐留延長が浮上する中、サドル潮流は軍事的抵抗再開を示唆
2011年04月10日付 al-Sabah al-Jadid 紙


■サドル潮流「マフディー軍は抵抗に備える」
■ヌジャイフィー議長「アメリカは部隊の一部残留を希望」

2011年04月10日付『サバーフ・ジャディード』紙

【バグダード:本紙】

イラクに部隊の一部を一定期間、残留させる希望がアメリカ側にあることが、イラク国会のウサーマ・アル=ヌジャイフィー議長によって明らかにされる中、今年末の米軍撤退問題と、駐留延長にイラク政府が同意する可能性に関する噂とが、政界および市民の間に一層の波紋を広げている。

ヌジャイフィー国会議長は、イラク政府はこの問題に関していかなる公式な立場も表明していないと明言しつつ、米軍撤退後の治安の空白について懸念が存在すると指摘した。

チェコ共和国在住イラク人コミュニティーとの会談でヌジャイフィー国会議長は、「SOFAの名で知られるイラクと米国間で調印された地位協定は今年2011年の年末をもって終了する。延長は出来ない」と述べつつ、「協定の延長には新たな交渉と、別の協定が必要で、政府がその協定に調印した場合、国会で採決にかけられることになるが、今のところそうしたことは起きていない」と断言した。

そして国会議長は「米軍の駐留延長を拒否する政治勢力がある一方で、延長は必要だと言う勢力もある」と述べ、「政治会派あるいは国会レベルで、米軍駐留問題が検討されたことはない」と説明しつつ、「今後この問題が提起される」と予想した。

サドル潮流の指導者であるムクタダー・サドル師は一昨日、バグダード東部のムスタンスイリーヤ広場で行われたデモで、数千人の支持者を前にサドル潮流の複数の幹部が読み上げた声明において、「占領者」が出ていかない場合には、マフディー軍の活動凍結を解除すると警告した。また、米軍のイラク撤退を求めて、スンナ派とシーア派が共に座り込み行動や軍事的抵抗を行うよう、呼びかけた。

サドル潮流の幹部の一人であるバハー・アル=アアラジー氏は、イラクのヌーリー・アル=マーリキー首相とその他複数の政治家たちを、米軍のイラク駐留延長にゴーサインを与えたとして非難し、米軍のイラク撤退問題が、サドル潮流の政治プロセス参加と、非武装抵抗路線を後押ししたのだと強調した。

アメリカのロバート・ゲーツ国防長官は先週金曜日、モースル市にあるキャンプ・メレツに駐留する米軍部隊を視察した際、ワシントンでは時間切れが近づいているとして、2011年以降の一部兵士の駐留延長を、急いで米国に要請するよう、イラク高官達に促していた。

サドル潮流の幹部の一人であるバハー・アアラジー氏は、サドル潮流の軍事部門「マフディー軍」が、2011年以降も米軍部隊が駐留を続ける場合に備えて、米軍に対する「軍事的抵抗」の準備を始めたと明言し、マフディー軍の「スペシャリスト達」が、基地の中であれ外であれ、米軍を狙う地点をどこにするか、選定に入ると指摘した。

ムクタダー・サドル師の側近であるアアラジー氏は、「サドル潮流の指導者は、昨日、マフディー軍の活動凍結を解除すると示唆せざるを得なくなった。占領者(米国)がイラクにさらに居座る用意を始めたためだ」と語った。
(後略)

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( 翻訳者:山本薫 )
( 記事ID:22104 )