変わるイラン=エジプト関係:エジプト外務大臣、イランとの国交正常化について説明
2011年04月05日付 Mardomsalari 紙

【政治部】エジプトで発生した市民による蜂起により、ホスニー・ムバーラク独裁政権が崩壊したことを受け、同国の周辺諸国との外交関係に根本的な変化が起こるであろうことは、〔当初より〕明らかであった。そしてこの変化の筆頭に、地域の二大重要国、すなわちイランとエジプトの国交正常化に向けた地ならしが行われていることが挙げられるだろう。また、シオニスト占領体制〔=イスラエル〕の同盟国から、エジプトが離脱することも予想される。

 このことに関連して、ここ数週間で伝えられた報道が示すのは、こうした変化に向けた基盤が形作られつつあるということであり、イラン・エジプト両国の政治関係者ら、特に両国の外務大臣の発言にその具体的な現れを見て取ることができる。

 先週、エジプトのナビール・アラビー外相は、同国が〔イランとの〕外交関係を、大使レベルにまで引き上げる用意があることを表明し、イラン外相もこれを歓迎する姿勢を示した。これより前、イスラーム革命の勝利後初めて、イランの軍艦がスエズ運河を通航したことも、こうしたこと〔=関係改善〕へ向けた実際的な行動として受け止められてきた。

 昨日も、両国の当局者からこの件に関する発言がなされ、マスコミの反響を呼んだ。そのうちの一つは、在カイロ・イラン利益代表部の所長が、イラン・エジプト間で国交を速やかに完全復活させるために、多くの努力が行われていることを明らかにしたことである。

 イラン学生通信(ISNA)によると、モジュタバー・アマーニー所長は、エジプト紙アルアハラームとの会見で、一刻も早く両国の完全なる国交正常化を成し遂げるために、さまざまな接触や努力が行われていることを強調した上で、「イランとの関係について新たな1ページを開くことに、エジプトは関心を抱いているとの同国のナビール・アラビー外相の発言を、イラン当局は肯定的に評価している」と語った。

 同所長はさらに、次のように続けた。「国交再開と同時に、両国の経済・貿易上の協力のレベル・アップに向けた、広大な地平が開かれるだろう。現在、両国の取引規模は1億ドルを超えないが、この取引規模を、両国が地域に占めている能力に見合ったものにすることを、双方とも希望している」。アマーニー所長は「両国が30年間にわたって国交を断絶してきたことは、両国の貿易や投資に負の影響を与え続けてきた」と述べた。

 エジプトのナビール・アラビー外相も、イランとエジプトの国交再開のための条件について新たな発言を行い、次のように述べた。「エジプトの故アンワール・サーダート大統領を暗殺した犯人の名前をテヘランの通りの名称から取り除くこと、ならびにカイロにあるシャー(イラン国王)の墓に、シャー時代のイラン国旗をかかげるのをやめること、この二つを〔同時に〕行わなければならない」。

 エジプト外相が述べているのは、テヘランにある「殉教者ハーリド・イスラームブーリー」通りのことである。エジプトの故アンワール・サーダート大統領は1981年8月、イスラームブーリーによるテロで殺害されている。また、モハンマド・レザー・パフラヴィー〔=革命によってイランを追われたシャー〕は1359年モルダード月5日(1980年7月27日)にエジプトで死去し、現在彼の遺体はカイロのアル・リファーイー・モスクに埋葬されている。埋葬場所には、イランの王制時代の国旗が掲げられている。

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( 翻訳者:小原智恵 )
( 記事ID:22122 )