エルドアン首相と舌戦の「フランス人」はこの人
2011年04月14日付 Hurriyet 紙

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相に、トルコにおけるマイノリティーの状況について質問した際、エルドアン首相から「私たちの友人はフランス人なんでしょうね。トルコのことを何もご存じない」と返答された国民運動連合(UMP)所属のミュリエル・マルラン・ミリテッロ議員がトルコ系であることが判明した。ヒュッリイェト紙(この報道の掲載紙)に談話を寄せたミリテッロ議員は、「首相は大変大きな間違いを犯しました。残念ながら私は『トルコのことを何も知らない』わけではありません。私はトルコ系で、この出自に誇りを持っています」と述べた。

■祖父はアルメニア系トルコ人

UMP所属ニース選出のミリテッロ議員はヒュッリイェト紙とストラスブールで対談し、エルドアン首相が自分に対してこのような形で返答したことを残念におもっていると述べ、以下のように話した。「私から見れば、エルドアン首相は私に、『あなたは少しばかりトルコのことをわかっていないようですね』といったことで、大変大きな間違いを犯しました。私を知らずに評価したのです。私はフランスの国会議員ですが、出自はトルコです。家族の姓はセリアンで、祖父はアルメニア系トルコ人です。祖父はイスタンブルのカドゥキョイに絨毯工房を持っていたそうです。1915年の強制移住の際、私の家族もイスタンブルのカドゥキョイにいたそうです。そして、私の家族をあるムスリムのトルコ人家族が救ったそうです。彼らは事件が始まるや否や、私の家族をすぐに探し出し、急いでボスフォラス海峡から船にのせたそうです、そして私たちはニースに来たそうです。その時、母はまだ3-4歳だったといいます。ただ、大叔母さまたちはイスタンブルで育ったそうです。もし、そのトルコ人ムスリムの家族がいなかったら、おそらく今日私は産まれてなかったでしょう。この話はいつも祖母から聞いていました」。

ミリテッロ議員は、トルコの情報を得続けてきたと述べて、こう続けた。「祖父はとてもきれいなトルコ語を話していました。アルメニア語も知っていました。でも、フランス語は知りませんでした。要は、本当にトルコ人の一家族だったのです。私はトルコがとても好きです。自分はトルコ系だと思っています。首相が想像できないほどにたくさんのトルコ人の友達がいます。私はトルコ系であることを誇りに思っています。このために、私に対してほとんど上から見下すかのように『トルコのことを何も知らない』といったことで、本当に大きな間違いを犯したと思います」と話した。

■抗議したが、エルドアン首相には届かず

ミリテッロ議員は、欧州評議会議員会議で質問をした際、トルコを批判したかったわけではなく、ただ、マイノリティーの信仰に関して様々な情報が入ってくる中で、このことに関する最近の状況を知りたいと思ったのだと述べ、以下のように続けた。「私はあの質問を批判するためにしたのではありません。悪意は全くありませんでした。ただ、本当に、マイノリティーの宗教に関する進展を知りたいと思ったのです。私はただ質問しただけです。これに対する返答は嘲笑であってはなりませんでした。私は真摯な返答を期待していました。しかしこのような返答が来て、私は抗議しました。「トルコを知っています。私はトルコ系です」と叫んだのですが、マイクがなかったために私の抗議を(エルドアン首相に)届けることはできませんでした」。

■フランスでは宗教に対する敬意がある

ミリテッロ議員は、エルドアン首相について、自身に対してのみならず、フランスに対しても『マイノリティーの宗教に対する敬意も感じられない』という不当な発言があったと述べた。ミリテッロ議員は以下のように話した。「また、私はエルドアン首相がフランスに向けた、宗教への敬意に関する批判にも同意しません。フランスは、いまだ民主的で人権ある国です。フランスにおいてキリスト教以外の宗教に認められている優遇は、世界でもわずかな国にしかないものだと思います。しかし、同時に、政教分離の原則があります。私たちは、皆が一つの空間にいる公的な場所で、宗教的な特徴を示すことに反対です。これは、キリスト教徒に対しても、イスラム教徒に対しても、他の宗教の信者に対しても適用されます。公共の場は、共通の生活の場です。ブルカが禁止されたこと、これは、政教分離の問題であると同時に、安全に関する問題でもあります。身元の確認においては、全ての宗教の信者は、ユダヤ教徒であっても、キリスト教徒であっても、イスラム教徒であっても、顔を見せなければなりません」。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:能勢美紀 )
( 記事ID:22133 )