裁判所、タクスィム広場のモスク建設計画を棄却
2011年04月20日付 Radikal 紙

イスタンブル広域市議会によって認可されたプロジェクトは、イスタンブル第一行政裁判所により施行停止の決定が下された。

トルコ技術者建築家連合(TMMOB)は、2009年5月21日にイスタンブル広域市により認可された縮尺5000分の1ベイオール保護整備開発計画で、タクスィム共和国広場に隣接する歴史的なタクスィム配水所の隣にある11の地図区域、406のブロックと関連する区画が「宗教施設区域」として決定されたことに関し、決定の取り消しと施行停止を要求し訴訟を起こした。これに対し、イスタンブル第一行政裁判所が施行の停止を決定したと明らかにした。

TMMOBの書面による説明の続きは以下の通り。

「文化自然財産保護法によれば、開発計画とは、準備の段階で歴史的な周辺環境、文化遺産・自然遺産、社会的・文化的・経済的な建造物とこれに類するものに関する必要な調査が都市全体(の景観)と関連付けられ行われることを必要とする保護目的のものであり、それが(今回の)タクスィムのモスク建設によりその法律的特性を失うこととなる。(そもそもこの法律は)確認された問題の解決及び歴史的・文化的・自然的環境を存続可能な形で保存する目的で、その地域に合った計画を立て(ることを想定し)、条項及び法律適用についてもそのように想定されている。この法律の条項に照らし裁判の焦点となっている地区におけるその適用を見てみると、イスタンブルの中心として受け入れられているタクスィム広場の歴史的環境、文化遺産、社会的・文化的・経済的な建造物と物理的条件を考慮せず、さらに隣接する建物や通りの造りに注意することなく、必要な調査を行わずに宗教施設区域(モスク)として計画されているように見える。

現存する宗教施設の分布や徒歩圏内に十分な数の宗教施設が存在していること及びタクスィム共和国広場と周辺の環境全体を考慮したとき、裁判の争点となっている計画の決定が、タクスィム共和国広場の象徴的建造物と歴史的なタクスィム配水所の存続という特色を持つ区画に対し社会的及び物理的な関連性を持たない土地利用の原因となることが、専門家の報告書にまとめられた。そしてこの報告書に関して、裁判所は専門的に見て包括的かつ十分(な説得力を)もつと判断した。ベイオール保護区域の計画の実行は、タクスィム・モスクのようないかなる科学的・専門的根拠にも依拠せず、共和国の諸価値により想起される広場でシンボル論争の原因となるようなプロジェクトにより妨害されるべきではない。このような状況が現実となったことは、イスタンブルにとって非常に大きな重要性をもち、そして18年間同計画を待っていたベイオール保護区を混迷させることになるだろう。TMMOBが起こした裁判の結果下された施行停止の決定は、ベイオール保護区域とタクスィム共和国広場にとって司法が下した重要な決定である。同時にこの決定によりタクスィム共和国広場で行われる政治シンボルの議論が終焉を迎えることが期待されている。TMMOB都市プロジェクト部は、自ら担う責任に基づきタクスィム共和国広場の場合同様に、公共の利益と都市の存続に反する形で実現されるあらゆる計画の実施に対し、市民に代わって必要な警告を続けるだろう。メディアと世論に敬意を持ってこのことをお伝えします。」

■市議会では承認されていた

1993年に開発規制地区(SİT alanı)であると宣言された後、文化自然財産保護委員会が、市に要求した縮尺5000分の1保護整備開発計画は、共和人民党議員の反対票はあったもののイスタンブル広域市議会により承認されていた。タクスィムにある小モスク計画を盛り込んだレポートの第14項には、以下のように定義されていた。「計画書の第 3条・土地利用決定、IIILD.11項は一部を取り消され、新しい項目を加え『この場所に宗教施設』が建設されると修正されていた。」

建築家協会イスタンブル支部長エユップ・ムフチュ氏は、計画の取り消しを求め裁判を起こす考えであると述べた。ムフチュ氏は、次のように語った。

「縮尺5000分の1計画で小モスクと後ろ側にある駐車場がモスク建設地として示されていたとしても、法的有効性はありません。なぜなら用意されたのは保護整備開発計画であるからです。歴史的建造物の隣に新しい建物を建てることはできません。きわめて誤った手続きが行われたようです。無理矢理承認させようとしているようですが、それは法に反する行為です。市が準備した計画には歴史的水道橋の裏側に建設予定のモスクに関し「(モスクの)側面又は前面に庭を配置せずとも」と言っています。この表現は(モスクが)水道橋のすぐ隣に建設されうるという意味になります。」

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( 翻訳者:釘田遼香 )
( 記事ID:22204 )