Taha Akyol コラム:高等選挙委員会候補者棄却問題の解決法
2011年04月20日付 Milliyet 紙

高等選挙委員会(YSK)が無所属12名の立候補を棄却した後、テレビでは当然のことながらこの件を最優先で扱い、重要番組として取り上げている。
しかし一部のコメンテーターの言うことは二束三文のでたらめばかりではないか、その上挑発的な物言いで…。
彼らは2つの方向性から陰謀説を囁いている。
・政府の裏組織がクルド人に対して陰謀を企てており、平和民主党(BDP)が議会に加わることを妨げようとしているらしい。公正発展党(AKP)もそれに協力しているそうだ。クルド人地域で有力な候補者が出ない理由も明らかになったという。それは、政府がYSKに指示してBDPの有力者たちを拒否させているから…だそうだ。
・いや違う。この裏組織のAKPに対する陰謀らしい。YSKの決定に反発し、クルド民族主義者たちは民族主義者行動党(MHP)に票を集めるだろう、これによりAKPは単独与党ではなくなる…。YSKの今回の決定はAKPを叩くための政治的な算段なのだ…そうだ。

これらを話している時、彼らの頭にはYSKがどんな憲法、法律に則っているかという疑問など全く浮かんでいなかったのだ!

■法律はどう定めているか?

憲法第76条によれば、テロに関する容疑で有罪が確定した者は、恩赦が出たとしても立候補することはできず当選もされない。
国会議員選挙法第11条にも同様の規定がある。
テロ以外の罪で前科がある場合、裁判所から「禁じられた権利の回復」、つまり被選挙権の制限解除を示す判決を出してもらう必要がある。
ここで自分がYSKのメンバーだと仮定してみてほしい。リベラル派でも左派でも右派でも、またはBDP支持者でもいい。
この法律に対して、あなたはどのように対応するだろう?「彼らに前科歴はない、立候補できる」と言えますか?
法的な条件を考慮せずYSKが様々な政治的陰謀に晒されているなどと言うのは、解決を生み出さないばかりか、BDPを支持する何百万人を完全に扇動するものである。

■議会は召集できるか?

ケマル・クルチダルオール党首は議会の緊急召集を各党へ呼びかけた。しかし議員の半分が候補リストになく、残りはそれぞれの選挙区にいる。憲法改正のための367議席を確保するのは極めて困難だ。
その上、投票は無記名ときている!
昨日CNNトルコの12時のニュースで詳しく説明したように、私は解決を法組織に委ねることを勧める。トルコ刑法第53条と、2006年に新しく制定された有罪記録法第13条a項に解決の可能性があるからだ。これらの条項は、「禁じられた権利」と呼ばれる制限を、裁判所の決定により解除できると定めている。これはジェミル・チチェキ氏が司法大臣だった時代に「EU適応法案」の一環として、また「禁じられた権利」なる制限を狭め、民主的権利の拡大することを目的として定められた。

■法の下での解決を
立法者のこの目的を考えれば、「拒否された」候補者の多くは裁判所から「権利回復」の判決が得ることができるのであり、これによってYSKも決定を変えるだろう。
さらにYSKの「棄却」判断にもこうした様子が伺える。
YSKは法的処置である「恩赦」と、裁判所による処置である「権利回復」は法的に別物であるため、立候補の可能性をさらに拡大するという見方をすることもできる。
我々はこの重大な問題に一致団結して解決法を模索すべきであり、また火にドラム缶でガソリンを撒いているBDP支持者たちは今すぐこれを止めるべきだ。
平穏な選挙を実現するために…。

追記:本稿を書き上げた後の夕方のニュースによると、YSKが「権利回復」書類を受理し、立候補を手続きを行う方向だという。非常に喜ばしいことだ。

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( 翻訳者:湯澤芙美 )
( 記事ID:22205 )