Fevzi Öztürkコラム:市場への期待と予測の公表
2011年04月21日付 Yeni Safak 紙

ここ数年、経済や市場に対する期待感に関し、様々な機関がアンケートを行っている。
経済界から民間のテレビ局によるものまで、行われたアンケートは将来的な経済、市場への期待がどのようなものであるかを考える上で重要である。
今回紹介するアンケートはというと;私もメンバーとなっているが、市場関係の専門家の多くが参加するメールグループで行われたアンケートで、市場の専門家の考えをみるには最適なものである。
ここ最近の分析に使われ、様々な発言が注目を浴びているストラテジストのサリム・カサプ氏の行ったアンケートには140名が回答している。
アンケート結果を、解説は加えずそのまま紹介しよう。アンケートによれば、6月に行われる総選挙の結果、イスタンブル証券取引所の株価が上昇するとした人が66%に上るのに対し、下落するとした人は34%であった。
そして2011年の年末の株式市場については、株価の上昇を予想する人が54%なのに対し、下落するだろうと考える人の割合は41%、残りの5%は無回答であった。
イスタンブル証券取引所の株価上昇に伴うリスクについては、66%が海外市場での信用下落、57%はトルコの経常収支赤字へのリスク、38%が金利上昇の可能性を挙げている。
イスタンブル証券取引所にとってのマイナス材料をプラスに転じさせる影響としては、トルコの格付け評価の高まり、選挙で3分の2が単一政党から新たに選出されること、などが挙がっている。

■予測の公表

今週初めにアメリカの格付け会社、スタンダード・アンド・プアーズが米国債の格付けをネガティブへ引き下げたと発表し、これを受けた市場は一時的な売り傾向に転じた。
しかしS&P社は特に目新しいことを言っているわけではない。アメリカ経済が常に言われているリスクについて述べたまでだ。つまり、予測を明らかにしながら「裸の王様」であると伝えたのだ。
直近の世界規模での経済危機に伴い、経済的な信用度の問題が生じている債券格付け会社は、いまだ大きな影響力を持っていることも今回の一件で立証されたわけである。
S&P社の発表の数時間後、別の格付け会社であるムーディーズは米国債(の見通し)がポジティブであると確認したことを発表した。
もともとS&P社とムーディーズ社の発表の根底には、数週間前からの予算危機の局面で存在感を示したい共和党と民主党の綱引きがある。
上で象が脚をドタバタさせているとき、下では投資家がすんでのところで踏み潰されるところだった。
今のところ、踏み潰された人はでていないが・・・。

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( 翻訳者:金井佐和子 )
( 記事ID:22221 )