首相車列襲撃事件はPKKの犯行、捜査続く
2011年05月05日付 Radikal 紙


レジェプ・タイイプ・エルドアン首相の車列に対して行われた攻撃の詳細が、明らかにされた。攻撃の指示は、「ウルガズでの大火は近い」との暗号によって与えられていたという。

昨日(5月4日)カスタモヌでのミーティングの後、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相がアンカラに戻る際に、公正発展党と首相府関係者の車列を攻撃し、警官のレジェプ・シャーヒンさんを死亡させ、同僚のメティン・クシュさんに負傷を負わせた者らを逮捕するため、警察は、ウルガズ山をくまなく捜査している。昨日17時15分頃、カスタモヌから約30kmの距離にあるウルガズ山の頂上に近いチャタルチャムで、激しい銃撃戦が起こったのち、森に逃げたテロリストたちに対する捜査が続けられる一方、攻撃に関する詳細が明らかになり始めた。国家情報部にもたらされた情報によれば、攻撃は、この地域で以前に起こったいくつかの事件と同様、クルド労働者党(PKK)-トルコ労働者・農民解放軍(TİKKO)の共同作戦によって行われた。

■「ウルガズでの火は近い」との指示

公正発展党の車列を攻撃したグループには4人のテロリストがおり、ライフル銃と手榴弾が使われたことがわかった。事件現場で捜査をしている警察と郡警察の担当者は、攻撃現場で、ライフル銃からのものである多数の空の薬きょうと手榴弾の一部を発見した。(事件の)実行者たちは、(首相の乗った)車両を警備していた警察車両に対して手榴弾1つを投げたあと、3つの場所からライフル銃で発砲、また、テロリストのうちの一人が見張りをしながら車両が近づいてくるのを知らせていたことが判明した。情報局にもたらされた情報によれば、「ムンズル」と「ゼルザン」というコードネームをもつPKKメンバーを含むテロリストグループに対して、攻撃の指示が組織によって「ウルガズでの大火は近い。皆に見せなさい」との暗号によって与えられた。事件を実行に移した4人のうち3人が、車列の車両が上り坂でスピードを落とすカーブで待ち伏せし、他の一人が見張りをして車両が来ることを知らせたことがわかった。攻撃が行われたことに対して、この地区の近くのカユ村の一部の住人は、何日か前に、この地区で武装した人々を目にし、通報し、治安部隊が村にきて人々から情報を集めたものの、テロリストの痕跡を失ったことが明らかにされた。

■知事:この地区には5-6人からなるのテロリストグループがひそんでいる

カスタモヌのエルドアン・ベクタシュ県知事は、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相が町から離れた後、公正発展党の選挙バスを警備していた警察チームに対して行われた攻撃で、主なターゲットは警察であると述べた。ベクタシュ知事は、県庁舎で行われた記者会見で、以下のように述べた。
「ここ数週間、よく議題に上るように、テロ組織が黒海地方に対して勢力を伸ばしているのを知っていました。チョルム、シノプ、そしてカスタモヌ地区において、5-6人からなるテロリストグループを特定しています。昨日(5月4日、水曜日)の攻撃は同じグループの犯行です。ここでは、ターゲットは首相の車両ではありませんでした。このグループが、首相がカスタモヌにいたという情報を得ていた可能性はあります。しかし、標的は首相の車両ではありませんでした。もし、そうであったとしたら、攻撃はもっと違った規模だったでしょう。我々が分析するところでは、主な目的は、この地区で彼らの要求を認めさせるための警察への攻撃でした。昨日も、警察のチームを目標にこの攻撃を行ったのです。」

■「負傷した警官は勇敢に戦った」

ベクタシュ知事は、テロリストグループが警察の車両をライフル銃で攻撃したことを明らかにし、「警察の車を、武器で襲撃しました。まず車両の運転手を、つまり、亡くなった警官を襲撃しました。運転手は、動かなくなりました。他の負傷した警官は、勇敢に、負傷した同僚の上を飛び越え、(車の)左のドアから外に出て、テロリストたちを攻撃し始めました。彼らに応戦しました。テロリストたちは、負傷した警官らが応戦したために、森に姿を消しました。警察のチームが使っていた車両が燃えた原因は、その車両の(ガソリン)タンクに火がついたからです。テロリストグループは、武器での攻撃のあと、すぐに事件の場所を放棄して逃げました」と述べた。ベクタシュ知事は、この地区で広域捜査が行われており、ごく短期間で犯人たちはこの地区から駆逐されるであろうと語り、「犯人が一人逃げ、二人逃げしても、どうなっているかみんな知っています。今日でないとしたら、明日、明後日中にこのグループをこの地区から撃退することになります」と述べた。

■「PKKの仕業」

ベクタシュ知事は、「この事件は誰の仕業なのか明らかなのでしょうか?PKKの仕業ですか?」という質問に、「はい、なぜなら彼らがそういうからです。我々は(PKKの仕業とは)言いません」と返答した。一方、この地区で、このグループに対して援助と隠れ家を提供する者がいるのか否かとの問いに対して、ベクタシュ知事は、「このグループの行動パターンを知っています。この地区でしばしば場所をかえながら移動しています。援助や隠れ家提供に関しての情報はありません。この地区の人々は、彼らに援助や隠れ家の提供は行っておらず、彼らのやり方に反対しています」と返答した。ベクタシュ知事は、攻撃の後、エルドアン首相が、この地区にいるオスマン・ギュネシ内務大臣に電話して情報を得、更に、亡くなった警官の妻と負傷した警察官と電話で話したと述べた。

■ウルガズで大捜査

カスタモヌ・ミーティングから戻る公正発展党の車両を攻撃し、警官を殺害したテロリストたちが逮捕されたのち、地域で始まった捜査には、アンカラから派遣された支援部隊も加わっている。郡警察本部から昨夜ヘリコプターでウルガズに送られた部隊と警察のチームは、合同捜査によってウルガズ山をくまなく捜索し始めた。雨と霧にも関わらず、大捜索は結果が得られるまで続けられることが明らかにされた。以前、カスタモヌ県警に勤めていた警察本部情報局長オメル・アルトゥパルマク氏は、今日の正午ごろに事件現場を訪れ、現場の捜査チームから情報を得た。この間、昨日の攻撃の後、カスタモヌ市街地への入り口で拘束された2人に対する尋問が行われている。攻撃が行われたチャタルチャム地区のどこにいたのかを聞き、疑いありとして拘束されたこの者どもがテロリストの一味かどうか調べられている。

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( 翻訳者:能勢美紀 )
( 記事ID:22385 )