サウジアラビアの大学で米国人教授、シマーグを着けた犬の写真を使用し講義中断
2011年05月11日付 al-Quds al-Arabi 紙


■ サウジアラビアでアメリカ人教授、シマーグを着けた犬の写真が理由で講義を中断させられ国外に退去

【リヤド:UPI】

サウジアラビアの大学でアメリカ人教授が講義の最中に使用した、犬が「シマーグ[※アラブ式スカーフ]」を着けている写真が原因で、出席者が怒ってホールから退席した。このことにより講義を最後まで行うことは妨げられ、教授は同日中に王国を立ち去らざるを得なくなった。

米オハイオ州立大学のジョゼフ・ウィリアムズ教授は、サウジアラビア西部のターイフ大学の講堂で、気候変動が王国内の砂漠の動物に与える影響についての講義を行っている最中に、アメリカの気候の中で暮らす犬の写真を見せ、次に地域の気候が犬に与える影響に言及しつつ、同じ犬がサウジアラビアの「シマーグ」と「イカール[※シマーグ用止め具]」を身につけている写真を示した。

サウジアラビアの新聞「アル=ワタン」によると、「このことで出席者の一部が激昂し、講義が本筋を逸れ、一部の出席者たちはアメリカ人教授がサウジアラビア国民のアイデンティティを明らかに嘲笑しているとして反発する姿勢をとった」という。

サウジアラビア生命科学協会のイブラヒーム・アーリフ理事長は「教授は講義の続行を禁じられ、謝罪を求められ、2度にわたって謝罪した」と述べ、「教授はインターネット上にある写真をサウジアラビア人の同僚の一人から得たと言っており、せいぜい面白おかしいという反応を呼ぶくらいの写真だと考えていたため、起こった反応に驚愕している」と付け加えた。

教授は講義を中止させられ、望ましからざる人物であることを通告された。アーリフ氏はこの事態について、文化の違いに由来すると説明した。

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( 翻訳者:柏田千秋 )
( 記事ID:22478 )