アーマネ「私はあくまでキサース刑を望みます」
2011年05月15日付 Jam-e Jam 紙


昨日、刑執行の現場にアーマネと記者たちが足を運ぶも、理由が明らかにされないまま、刑の執行延期が突然発表された。

 昨日テヘラン司法病院において、裁判所の判決により両目の失明が予定されていた酸ふりかけ魔の元求婚者が、理由が明らかにされないまま、次の指示があるまで刑の執行を猶予された。

 ジャーメ・ジャム紙によると、マジードという名の酸ふりかけ魔の若者の両目に対するキサース刑(同害報復刑)が最高裁判所によって支持され、テヘラン司法病院において執行されるとのニュースが発表されたことを受け、昨日の朝、司法病院の前には国内外の記者たちが大勢詰めかけ、この刑の執行を待っていた。

 酸ふりかけ事件の犠牲者であるアーマネという娘は、正午ごろ現場に姿を現し、取り囲む記者たちに対して、「キサース刑だけが私の望みなのです。ただそれだけです」と語った。

 アーマネが病院内に入り、誰もが受刑者マジードが刑務所から刑執行場所まで連れて来られるのを固唾を呑んで待っていたが、〔マジードを乗せた〕刑務所の車両が来る気配はまったく見られなかった。

 そしてアーマネが司法病院に入ってから数分後、裁判所により下された判決が理由不明なまま執行されないことが、突然発表された。このことを受け激しくショックを受けたアーマネと彼女の母親は、刑執行の延期理由について説明を求めた。そして彼女とテヘラン刑事検察庁の判決執行判事との間で交わされた電話で、刑執行の延期理由を知りたければ検察庁に来るよう、アーマネに告げられた。

 アーマネの母親は、刑執行の延期に対して激しく抗議する一方、マジードへのキサース刑を命ずる内容の判決文を示しながら、刑の執行をこれからも追求していく、裁判所が下した判決が執行されるよう、可能なあらゆる方法を使って関係者たちの説得に努力する、と表明した。

 刑執行の中止に関するアーマネと刑事検察庁関係者との交渉の結果については、いまだ発表されていない。

 アーマネ・バフラーミーは83年アーバーン月12日(西暦2004年11月1日)、職場を出た際に、セイエド・ハンダーン地区周辺で、彼女と同じ大学に在籍していた元求婚者の若者から酸による襲撃に遭った。その結果、彼女の両目は視力を失い、今までイランとスペインで19回の外科手術を余儀なくされてきた。彼女は、最高裁判所の支持を受けたキサース刑の判決の執行を強く主張している。

 アーマネは次のように強調している。「この刑の執行は私自身のために望んでいるのではありません。むしろ私の目的は、正義が実行されることで、他人に酸をかけ、その人の人生を破滅させるといった傍若無人な振る舞いを、犯罪者たちに二度とさせないようにすることなのです」。

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( 翻訳者:三浦由佳理 )
( 記事ID:22564 )