トルコのEU加盟支持率は69%-トルコ経済社会研究財団アンケート
2011年06月01日付 Zaman 紙

トルコ経済社会研究財団の実施した調査によると、キプロス問題によりEU加盟プロセスが滞っているにも関わらず、トルコ国民の69%が加盟を支持している。EU加盟を最も支持するのは、支持率91%の南東アナトリア地域だ。アンケートによると、トルコが直面している最大の危機はテロである。

トルコ経済社会研究財団(TESEV)の実施した「トルコにおける外交意識」の調査において、印象的な結果が表れた。この調査により、交渉過程における停滞と、トルコの外交方針をめぐる議論が発生している状況にあって尚、トルコ社会でのEU加盟支持率は69%であることが明らかになった。社会の14%がトルコの直面する最大の危機を「PKK、テロ」とみなしており、また「トルコの友好国は存在しない」という考えが現在も有効である考える人は23%だった。この調査はTESEVにより2010年12月6日から同月14日の間に実施されたもので、18歳以上の1000名が参加した。これによると、トルコ社会の65%が政府の外交姿勢を支持している。外交を評価しない人は22%で、その理由としてイスラエル、アメリカとの関係が挙げられた。

■イスラエルは敵国、イランは友好国

トルコのEU加盟を最も支持しているのは、91%という高い数値を見せる南東アナトリア地域だ。EU加盟を支持する理由のうち最も多いのは、「ビザ取得の簡略化」である(22%)。それとほぼ同じ割合で、「EU加盟による経済的利益」が挙げられている(21%)。EU加盟に反対する人々の主な主張は、「トルコは自国のみで十分に力を持っている」というものだ(21%)。10%の人々は倫理的、文化的価値観の違いを挙げている。国民はEUへの加盟をこれほど望んでいるにも関わらず、その結果についてはあまり期待を寄せていない。トルコのEU加盟の時期については、回答者の多数(30%)が「決してない」と回答している。交渉が5年から10年以内に幸福な結末を迎えると考える人の割合は20%だった。国民がトルコのEU加盟の過程において悲観的になる最大の理由は、「ヨーロッパにおける外国への敵意と、トルコがムスリム国家であること」であった(22%)。TESEVの調査によると、トルコ国民の52%がアメリカはトルコに対し友好的ではないと考えている。アメリカのバラク・オバマ大統領の大統領当選以来、彼に対するトルコの期待は低下を見せている。支持率は、80%から67%にまで低下した。

■39%がアルメニアとの関係正常化を支持

世間は、トルコが直面する最大の危機を「PKK、テロ」と考えている(14%)。「トルコの友好国は存在しない」という考えが現在も有効であることも、この調査で導かれたもうひとつの結果だ(23%)。

「友好国」として挙げられた国は次の通りである。
イラン(13%)、アゼルバイジャン(10%)、アメリカ(10%)、パキスタン(9%)。

「敵国」の筆頭には、イスラエルが40%で挙げられた。これにアメリカ(33%)、ギリシャ(16%)が続いている。トルコ人の多数がイランを中東の脅威とはみなしておらず(53%)、イランの平和的核プログラムを支持している(47%)。しかし、核兵器の開発には反対である(65%)。

近年中東においてトルコが果たしている積極的な役割に対する社会の反応も、この調査により明らかとなっている。トルコが中東にとってのモデルになるだろうと考える人の割合は78%であった。イスラエル―パレスチナ関係の解決のためトルコが仲介を行う必要があると考える人の割合は、75%と大多数を占めている。中東の平和と安定に立ち塞がる障壁としては、イスラエル(23%)、アメリカ(12%)、テロ(7%)が挙げられた。

トルコが今後コーカサス、中央アジアにおいても影響力のある役割を果たす可能性があるという考えは、社会の大部分に広まった状態である(74%)。調査によると、国民の39%がアルメニアとの関係正常化を支持しており、44%がこれに反対している。

南東アナトリア地域では国境門の開門が望まれている一方、黒海地域では反対の結果が出ている。ロシアとの関係発展に向けた社会の要求も非常に高まっている。調査の回答者のうち70%がロシアとの政治的関係、76%は経済的関係の発展が必要と考えている。

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( 翻訳者:岩根匡宏 )
( 記事ID:22740 )