ムバーラク元大統領、「故意の殺人」容疑で8月3日に公判
2011年06月02日付 Al-Ahram 紙
■ムバーラク元大統領と2人の息子に対する公判はカイロで8月3日に。元大統領は「故意の殺人」容疑に問われる。
2010年06月02日『アル=アハラーム』
【カイロ:アラー・ムハンマド・アラー】
アブドゥル・アズィーズ・ウマル判事を裁判長とするカイロの上訴裁判所は昨日[1日]、ムバーラク元大統領と同子息のガマルおよびアラーの公判を8月3日に行うと決定した。また、アフマド・ラファアト判事を裁判長とするカイロ北部裁判所の第5法廷で、逃走中の実業家フセイン・サーリムに対する公判を行うとも決定した。
これは「ムバーラク元大統領の公判はカイロで行われ、シャルムシェイフの病院内で行われる予定はない」とした先週日曜[5月29日]の本紙独自の記事を確認するものである。また本紙は、カイロで公判が行われるのは、当該事件に関して被告が他にも存在することが理由であるとの情報を得た。これら被告は、アブドゥルマギード・マフムード副裁判長の決定により、故意の殺人、1月25日革命におけるデモ参加者の一部に対する殺害計画、権力乱用、公金横領、自身および他者の不正利益所得に関与した容疑で刑事裁判所に送られた。
検察側は、最初の被告となるムバーラク元大統領が、ハビーブ・アードリー元内務相および一部の警察幹部と結託して、事前に計画した意図的な殺人を実行した他、一部のデモ隊に対する殺害計画を企てたとする容疑をかけている。また自身や2人の子息のために贈り物や便宜供与のやり取りがなされ、シャルムシェイフの官邸および4つの邸宅に対して4000万エジプトポンドという虚偽の価格が設定され、その見返りとしてフセイン・サーリム容疑者が20億米ドル以上を取得した容疑もあるとしている。さらに、イスラエル向けの天然ガス輸出を巡る取引で不正利益を得たとする容疑もある。これにより国が被った損失は7億5000万米ドルに達したが、これは天然ガスの売り値と世界市場の価格との差額分に相当するものという。
さらに検察側は、アラー・ムバーラクとガマル・ムバーラクが、投資ファンドやエジプトの借款返済、公共部門の民営化、外国企業の代理業務を巡る不正行為に関与し、またそれらの転売や一部企業に提携を強制することによって仲介手数料を取得したとの容疑もかけている。
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( 翻訳者:小林沙織 )
( 記事ID:22743 )