中央銀行、預金利率引き上げを提案
2011年05月30日付 Jam-e Jam 紙

外国為替相場と金貨相場の著しい上昇により、中央銀行はついに、専門家の勧告に従い、市場にだぶつく流動資金に対して、何かの抜本的対策を講じる必要性を認識したようだ。

 ジャーメ・ジャム紙によると、今年度初頭〔=2011年3月下旬〜4月上旬〕以降、テヘランの金貨市場と外国為替市場では説明のつかないような価格高騰が見られ、「バハーレ・アーザーディー(自由の春)金貨」〔8.33グラム金貨の名称〕では一時期、実際の価格と市場価格の差が5万トマーン〔約4000円〕を超えるまでになった。

 しかし、金貨に対する付加価値税の導入とそれによる価格の上昇によって、投機筋やブローカーは金市場から外国為替市場に活動の場を移した。そして中央銀行による〔外貨の〕大規模な供給にも拘わらず、各種外国通貨は市場において大幅な上昇を見せたのである。

 現在の状況から判断する限り、中央銀行には外国為替市場の変動を短・中期的にコントロールする力があるとはいえ、市場における投機筋の需要を抑制するためには、より抜本的な対策が考えられねばならない。こうしたことから、中央銀行はついに、長期預金の金利引き上げを「通貨信用評議会」に提案したのである。

 この件に関し、中央銀行総裁は預金利率引き上げを意図した同銀行の通貨信用評議会向けの報告書が準備されていることを明らかにした。

 マフムード・バフマニー中央銀行総裁はイラン学生通信との会見で、流動資金が外国為替市場に流れていることを指摘したうえで、「現在、通貨信用評議会への報告書の作成が最終段階にある。そこでは、定期投資預金の利率引き上げが提起されている」と語った。

 同総裁は続けて、「預金の利率が上昇すれば、人々は〔手持ちの〕流動資金を各銀行に預けることを選ぶであろうし、そうなれば人々の資金は銀行に導かれることになる。というのも、だぶついた流動資金は投機に流れているからだ。現在外国為替市場で見られるような問題は、まさにこれが原因なのだ」と述べた。

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( 翻訳者:齋藤奏恵 )
( 記事ID:22799 )