Fikret Bila コラム:各党党首にとっての、6.12選挙
2011年06月09日付 Milliyet 紙

政党指導者にとって、どの選挙も大事だ。しかし、2011年から2015年を決めるこの選挙は、政治指導者らにとって、特別な意味がある。
レジュプ・タイイプ・エルドアン首相、共和人民党(CHP)クルチダルオール党首、民族主義者行動党(MHP)デヴレト・バフチェリ党首、平和民主党(BDP)の共同党首らは、精一杯、選挙を戦っている。誰にでも真似のできることではない肉体的なパフォーマンスも示している。トルコの端から端へと飛び回り、一日の間にいくつもの集会をこなしている。演説会場から演説会場へと走っている。どこにいっても、ハイテンションで熱をおびた演説をしている。

では、各党首にとって、今度の選挙のもつ意味は何だろう、それぞれ見ていこう。

■エルドアンと大統領職

レジュプ・タイイプ・エルドアン首相にとって、この選挙は特に重要だ。なぜなら、大統領になるかならないか、なるとすると現行システムでの大統領か、あるいは、大統領制を導入した上での就任かを決めることになる。エルドアンは、今期が、自身にとって最後の議席となることを発表している。党首職を続けて3期務めるエルドアンは、党規定より、一期、間をおかねばならない。しかし、この「休みの期間」に大統領府に入る可能性が高い。これゆえ、この選挙で、エルドアンが獲得する得票率と議席数は、特別な意味をもっている。新しい憲法を国民投票なしで成立させるには、367議席をとれるかどうかにかかっている。国民投票で新憲法を成立させるにも、330から367の議席数が必要だ。

加えて得票率も非常に重要だ。現行制度でもエルドアンが大統領に就任すれば、国民によって直接選ばれる最初の大統領となる。それゆえ、50%を1%でもこえればそれは重要な意味をもつ。50%にどれだけ近いか、どれだけ遠いかが、その行方を決める。この選挙の結果は、エルドアンが大統領制を導入するかどうか、エルドアン自身が大統領候補となるかどうかを決めることなる。

■クルチダルオールCHP党首とその指導力

CHPのケマル・クルチダルオール党首にとってもこの選挙は特別な意味をもつ。CHPの党首に就任したばかりのクルチダルオールは、約1年の党首経験をへて、この選挙で審判をうけることになる。CHPが躍進することができれば、これは党首としての信任となり、また、CHPが政権与党の選択肢のひとつとなったことを示すことになる。

■バフチェリMHP党首と、トルコ民族主義運動

MHPのデヴレト・バフチェリ党首にとっても、この選挙は重要だ。選挙の前に、同党に対して行われたネガティブ・キャンペーンの標的はバフチェリを党首の座から追うことにある。この目標は、明確に宣言されていた。
バフチェリを党首の座から追うだけでなく、MHPの得票率を10%以下におさえ議席獲得を阻むことも目論まれていたことは周知の事実だ。
バフチェリが選挙でもし勝利すれば、「バフチェリ抜きのMHP、MHP抜きの議会」という計算をした者たちに宣戦布告することになる。

この条件を考えれば、バフチェリがこの選挙でえる結果は、トルコ民族主義運動の主導権と議会における重要性を決めることになる。

■BDPと「クルド自治区」

この選挙は、BDPの観点からも重要な意味をもつ。BDPの共同党首たちだけでなく、イムラル島のオジャランや、カンディリのPKK首脳らにとっても、この選挙での結果が今後の方針を決めることなる。

このグループが選挙で票を伸ばし議席数を増やしたら、自らに自信をつけ、自治区要求を政府につきつけることなるだろう。そして、そのために交渉のテーブルにつこうとするだろう。もし、これが実現しない場合には、カンディリのPKK首脳がテロを激化させ、BDPやDTP(民主社会会議)が一方的に自治区宣言するというところまで、新しい事態が生まれる可能性がある。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:トルコ語メディア翻訳班 )
( 記事ID:22842 )