セイエド・ハサン・ナスルッラー、ハーメネイー師の指導の知られざる側面を明かす
2011年06月07日付 Jam-e Jam 紙

ナスルッラー氏「アーヤトッラー・ハーメネイー閣下の指導がもつ政治的意味は相変わらず世間に知られていない」

 〔レバノン・ヒズブッラーの指導者である〕セイエド・ハサン・ナスルッラー氏は自身の最新の発言のなかで、ハーメネイー革命最高指導者を称えた上で、自身そしてレバノン・ヒズブッラーの最も重要な義務とは、「イマーム〔※1〕であるセイエド・アリー・ハーメネイー師をイスラーム共同体に知らしめ、全ての人がハーメネイー師という存在のバラカ(神の恵み)を活用できるようにする」ことであると強調した。

 ベイルートのマリオットホテルで開かれた「アーヤトッラー・ハーメネイーの見地からみる革新とイジュティハード〔※2〕」会議のなかで、レバノン・ヒズブッラーの総書記がハーメネイー革命最高指導者に関する自らの分析を示そうと考えたのは、アーヤトッラー・ハーメネイー閣下の人物像と同閣下の〔世界情勢に対する〕予測が〔イスラーム世界で〕きちんと理解されていないことがきっかけだった。〔‥‥〕

 昨日からベイルートで始まり、本日も続いているこの会議には、イランからの招待客の姿も目にすることができる。ゴラーム・アリー・ハッダード=アーデル氏〔元国会議長〕やゴラームレザー・メスバーヒー=モガッダム氏といった国会議員、そしてテヘラン臨時金曜礼拝導師のセイエド・アフマド・ハータミー氏といった面々である。

 「アーヤトッラー・ハーメネイーの見地からみる革新とイジュティハード」会議の開会式で講演を行ったのは、セイエド・ハサン・ナスルッラー師だった。

 ISNAの報道によると、レバノン・ヒズブッラー総書記は、今回の会議の狙いは重要であると指摘した上で、「私はイマーム・ハーメネイー閣下を直接的かつ個人的に存じ上げているので、諸々の事件に対する師の見解・分析や、指導・管理・意思決定のあり方についてのお考えに接する機会を得ることができた」と述べた。

 同氏はその上で「我々は極めて偉大で並外れた人物と向かい合っている。〔にもかかわらず、〕イスラーム共同体の中にいる多くの人々が、イマーム・ハーメネイーのことをよく知らないように見受けられる。同師がイスラーム共同体のなかでどれだけ虐げられた立場にいるのか、われわれにはよく分かる」と語った。

 同氏はさらに、「イマーム・ハーメネイーはイランにおいてすら、虐げられている。われわれが向かい合っている〔偉大なる〕人物に対し、敵は包囲網を作り上げている。にもかかわらず、味方〔であるわれわれ〕はあるべき相応しい対応を怠ってきた〔=十分にサポートしてこなかった、見殺しにしてきた〕のだ」と続けた。

 ナスルッラー師は「イマーム・ハーメネイーのジハード的・思想的・政治的人物像を知悉するならば、我々には指導・イジュティハード・政策・敬虔さにおいて偉大なるイマームがいるということ、戦略的視点を完璧にマスターしたイマームがいるということを、〔声を大にして〕言うことができるだろう」と述べた。

 〔‥‥〕



訳註
※1:イランが国教とする12イマーム・シーア派では、「イマーム」(イスラーム共同体の指導者)は本来、アリーを初代とする12人のイマームに対して用いられる語であるが(現在の「イマーム」はあくまで、お隠れ状態の第12代イマーム、いわゆる「時のイマーム」である)、79年の革命以降、例外的にホメイニーに対しても「イマーム」の語が用いられている。しかし近年、ハーメネイー最高指導者が「イマーム」と呼ばれるケースも散見されるようになっている。

※2:イジュティハードとは、イスラーム法学者がコーランやハディースなどからイスラーム法を演繹する営為のこと。

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( 翻訳者:渡部智士 )
( 記事ID:22847 )