Sedat Erginコラム:四党すべてが勝つシナリオはありえるか?
2011年06月08日付 Hurriyet 紙

4週間の間、頻繁にイスタンブルの外に、アナトリアの様々な場所に私は行った。一回ヒュリイェト列車でカルスにまで足を伸ばしたこともある。さらに、大きな政党の党首らや、一部の議員候補の選挙キャンペーンや集会を見るため、あらゆる機会に現場へ出向いた。

この旅は、アナトリアの状況を自らその場で見て、様々な地域の異なった政治的傾向の中で国民と接し、彼らの話しを聞くと言う観点から、私に二つとない機会を提供した。私は、足を踏み入れたすべての場所からイスタンブルへ、精神的にも知識・経験水準的にも豊かになって戻ってきた。私は短い旅の間に得た印象を全体に拡大して考えてみることが非常に傲慢だということはわかっている。しかしながら、選挙結果に関しては、次のような慎重な予想を提示できるだろう。

■与党である利点

AKPから始めよう。この政党が8年半政権にいて、アナトリアで権威を失ったと言うことはできない。逆に、長期間政権にいることが可能にした重要な武器とともに与党はこの選挙に臨んでいる。私はまず、医療の分野で実現した改革が、選挙で与党の最大の武器のうちの一つになると考えている。特に収入が少ない国民が、過去に比べて安心し医療のサービスを受けられていることは、客観的な事実である。

また、貧困層を対象にした社会支援プログラムが、この層における与党への重要な支持の下地を生み出したことは明白だ。そして、あらゆる都市で建設されている集合住宅局(TOKİ)のマンションが、貧困層の国民にとって非常に適した条件で住める住宅を所有する可能性を生み出したこともまた重要なプラスポイントとして見られるべきだ。そして、8年半の政権期間に、アナトリアで二車線道路や空港といった交通インフラの発展を実現したこともまた政権与党に味方する風を吹かせている。もちろん、政権与党が、選挙キャンペーンにライバル政党の力が及ばない規模の財力で臨むこと、自治体の力の動員、さらに政権にいることの利点を広く用いることのような、他の党から見れば「公平ではない要因」も、この計算に入れることができる。これらすべての要因に、さらに宗教的要因のキャンペーンでの広い使用を加えると、AKPが2007年の選挙で獲得した46.58%の得票率に近づくことは私を驚かせないだろう。

■CHPには、有意な得票率増加が見込まれる

CHPが6月12日の投票で、意味のある得票率増加を生み出すことに関して私は疑いを持たない。この背後にはケマル・クルチダルオール党首の人柄と、党内で始めた改革が、人々の少なくない層で支持を得ていることがある。CHPは、2007年の選挙で20.8%、2009年の地方選挙で23.08%であった得票率を上回るだろう。獲得する票は、30%ほどにまで達するだろうか?それほど簡単には思えない。しかしこれを下回ったとしても、彼が獲得する得票率は、おそらくクルチダルオール党首が党を引き継いだ時点を上回り、彼が党を上昇トレンドに載せたという点で世論を説得でき、これに伴い、党内の主導権を強化することにむすびつくだろう。

この選挙により命運が決まる政党がMHPになるということに関してはみな同意見だ。進行中の全議論にも関わらず、MHPは得票数制限の10%を上回ると私は考えている。ビデオ映像スキャンダルが党内にもたらした結束の精神と、社会で生み出した不当だという認識は、この事件のマイナス面を充分以上に補償すると考えられている。また、CHPでクルチダルオール党首がもたらした改革路線とクルド問題における発言を不快に感じた民族主義路線のCHP投票者の一部からMHPに票が流れるだろうと私は見ている。

■四者のWIN-WINシナリオ

民主主義・自由化ブロックの牽引要素であるBDPが、南東部の投票で勝利することは、選挙の最も見込まれている結果のうちの一つだ。6月13日の朝、クルド政治運動の政党であるBDPが南東部の優勢な政治主体であることを、再び、なんの躊躇もなく明らかな形で見ることができるだろう。

私は6月13日の朝、投票で四党全てが勝利する、または少なくと「勝利した」とする、説得力のある説明をできる結果が出ると考えている。一種のWIN-WINの等式が四角の枠で現れるような結果が。これがどのような議会の算術を生み出すのかという問題は明日のコラムで分析しよう。

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( 翻訳者:菱山湧人 )
( 記事ID:22856 )