Arif Beki コラム:クルチダルオール対(旧)CHP
2011年05月31日付 Radikal 紙

この対戦についてはっきりといおう。なにはともあれ、現状維持の確固たる門番だった旧CHP(共和人民党)に対し、「変化の党になる」という競争で、与党公正発展党(AKP)と張り合う新CHPを、私は応援しよう。クルチダルオール党首とその仲間の新しい政治が、成功しますように!

クルチダルオール党首は先週の水曜日、イスタンブルで、現状維持の看板を下ろし、CHPの旗に刷新のリボンを付けた。「変化の政党は、CHPだ」と宣言した。いいことだ!

AKPは新しい挑戦に直面している。なぜなら「変化の政党」がもう一つ現れたからだ。民主主義と改革主義の分野にライバルが現れたのだ。どの面からみても、これは良いことだ。

AKPの「前進的民主主義」に対して、CHPは「自由な民主主義」を掲げている。より民主主義、より自由、より多くの変化を約束し、AKPと競争しようとしている。

■辛抱が必要

新CHPがAKPに対抗するのは不利ではある。なにしろ9年遅れて競争し始めたからだ。しかし、埋め合わせのできない程の遅れではない。CHPの変化は、選挙へ向けての最後の駆け引きにも似たものなので、この急な変化の成果を6月12日に期待すべきではないだろう。さもないと、失望に終わり、CHPの変化の試みは、はじめたばかりで終わってしまう。

急がず、忍耐強く、断固として、内部からのあらゆる抵抗と闘いながらこの道を進まなくてはならない。心得ておくべきは、悪魔はこの道を閉ざす事は出来ないということだ。頑張れば彼らの邪魔を出来はしない。

「共和国集会」に疲れることなく。「危険を分かっているのか?」というキャンペーンにも打ち負かされず。後進的だといわれても怯えず、心理操作に騙されず。

心配しないでほしい。(こうした攻撃に対する)地盤の整備はAKPによってすでに行われている。地雷はこの「変化」という地表から一掃されているのだ。

変わることは今や簡単だ。参謀本部を国防省に帰属させ、クルド人には地方自治への扉を開き、スカーフ問題も解決する。これにどんなマイナスもないだろう。CHPへの解党裁判が開かれることはない。保証してもいい。この代償は全て、すでにAKPによって何度も支払われたのだから。

憲法裁判所が国会から権限を奪うのを擁護し、軍に文民政治への介入へとそそのかしたCHPは、もはや残ってはいない。障害はCHPそのものだったのだ。刷新の道は最後まで開いている

クルチダルオール党首とその仲間は、まったく正しい。

エルドアン首相は「新しいCHPだって?政治的な策略計画だ。クルチダルオール党首の登場そのものがこの計画の結果だ」と述べた。首相が、(CHPの刷新が)外から計画されたプロジェクトだと述べたからといって、これに腹をたててはならない。ヨーグルトを、吹き冷やしながら食べているのだ。なぜなら、CHPにはこれまでに何度も失望を味あわされてきたからだ。

今日、CHPで変化が始まったとしたら、CHPでさえ変わったということだ。もちろん、新CHPが本物かどうかは、よく見守れなければならない。しかし、乗り越えられない問題ではない。選挙後、変化をあと戻りさせない事は、誠実さの証明となるだろう。

新CHPに対しては「模倣だ」、「AKP化だ」との批判がよせられるだろう。これに対応することは、なかなか難しい。政治学者のアイシェン・ウイサル氏が昨日、タラフ紙で、ネイシェ・ドゥゼル氏にこの難しさ語っている。一部のCHP党員はこのプロセスを疑問視しているらしい。彼らによれば、CHPの一部は、政権獲得の準備のためにCHPをアメリカとEUの民主主義基準に沿うものにしたのだそうだ。彼らは、CHPがAKP化してしまったと主張している。

実際、ウイサル氏は「CHPはAKPの方を見て、完璧にまねた政治に行っている。クルチダルオール党首は エルドアン首相の方を見ている。エジェビットの路線で政治を出発したのに、今やエルドアンと競争している・・・・」と述べている。

こうした国家主義的左派支持層からくる同様の批判に怯え、不安にとりつかれるべきではない。

CHPには強力な現状維持を主張する勢力が存在している。変化の旋風に対して、上級司法当局よりも、より潜在的に抵抗的だ。それゆえ、CHPの変化は、上級司法当局の変化よりも後に訪れた。現状維持の最後の砦、80年クーデターの産物である上級司法当局に対する自由主義的な民主化の変化は、(2010年の国民投票の結果として)CHPよりも少し前に訪れた。

たった8カ月前、司法に民主主義をもたらし、80年クーデター体制を終わらせるための国民投票に対し、クルチダルオール党首は「反対」前線のリーダーだったのだ。少し遅れはしたが、しかしそれでもいい。最後にCHPも抵抗を諦め、自由と変化に向かったことは、喜ぶべきことである。

歩みを止めることはない。努力あるのみだ!

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( 翻訳者:田中優美 )
( 記事ID:22860 )