Hasan Cemal コラム:エルドアン、「歩み寄り」と「空気を和らげる」勝利演説
2011年06月13日付 Milliyet 紙


いつでも「始め」は希望に満ちている。願わくば、50%という高得票率が、エルドアン首相を、バルコニーからの勝利演説で見せた、融和的で歩み寄りを前提とした路線からはずれさせませんように!

選挙結果ですか?次のように要約しましょう。

(1)いうまでもない。タイイプ・エルドアンと公正発展党(AKP)が全投票者の半分、すなわち2人に1人の票をえて、大勝利を手にした。

(2)これは、本当に大きな勝利だ。なぜなら、AKPは、3度続けて国政選挙を票を伸ばしながら通過した。こうして再び単独政権を実現した。この結果、6月12日、タイイプ・エルドアンの名は、指導者としてトルコ史に名を刻まれた。

(3)共和人民党(CHP)についていうと期待したほどにはいかなかった。2007年に比べ5%、2009年に比べると3%、得票率を伸ばし、350万の新しい票を獲得した。しかし、これは、ケマル・クルチダルオールからみて、勝利といえるだろうか?
そういうのは、難しい。
CHPは政党としては国会議員数を増やした唯一の党ではあるが、これを根拠に勝利というのは、ちょっと大げさな評価だろう。

(4)平和民主党(BDP)が支持した無所属候補のうち35人が当選したもようだ。2007年には、この数は22だったことを思いおこすと、これが大きな勝利であることは明白だ。

(5)デブレト・バフチェリの民族主義者行動党(MHP)は、たしかに10%の得票率制限を突破したが、2007年の選挙を下回った。票数も減らし、議員数も71から54に減らした。MHPが6月12日を勝利に日といえるとは思わない。

(6)タイイプ・エルドアンの367議席という夢は実現しなかった。この結果、国民投票なしで単独で憲法を制定する目標や、大統領制はトルコの政治日程から消えた。エルドアンは、330議席という目標にも達せず、326議席にとどまった。これはいいかえると、AKPが単独で、新憲法をつくって国民投票に持ち込むという道がなくなったということだ。

(7)エルドアンのバルコニーでの勝利宣言についていうと・・・、前向きだった。歩み寄りの門戸を開くものだった。選挙キャンペーン中、どうしようもなく加熱していた政治の空気を和らげ、冷ますような言い方でしゃべった。みなを、トルコ全体を包括すること、トルコの将来に真っ白なページを開くこと、謙虚な態度をとりつづけること、舞い上がったりしないことに言及した。

(8)新憲法については、AKPが国会のもとで、最大野党やその他の野党、市民団体と歩み寄りを模索しすることを、何度も繰り返した。これは、特に大事な点だった。

(9)もし、タイイプ・エルドアンが、このバルコニー演説を、自身に課したものだと考え、新憲法について本気で歩み寄りの門を開こうとするなら、そして、本当に開くことができるなら、また、クルド人に関し、つまり「クルド問題」に関しセンスィティブに行動するなら、トルコは、安定と平和の道を進むだろう。

(10)つまり、いつでも「始め」は希望に満ちているのだ。願わくば、50%という高得票率が、エルドアン首相を、バルコニーからの勝利演説で見せた、融和的で歩み寄りを前提とした路線からはずれさせることがありませんように!

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( 翻訳者:トルコ語メディア翻訳班 )
( 記事ID:22872 )