最高裁、「名誉殺人」への減刑を復活
2011年06月16日付 Milliyet 紙


最高裁判所は、貞操を理由に起こされたすべての殺人を因習殺人と捉え、容疑者に対し妥当性のない、犯罪を助長するような減刑は行わないとしていたが、婚約者と電話で話した相手を殺害した容疑者に下された刑を却下した。

最高裁判所は、長いあいだ、貞操を理由に起こされたすべての殺人を因習殺人と捉え、容疑者に下された刑に妥当性のない、犯罪を助長するような減刑は行ってこなかったが、今回元に戻った。最高裁判所刑事大法廷は、大きな批判のある「殺人が因習殺人とみなされるには家族会議での決定が必要だ」との解釈に戻り、婚約者と電話で話した相手を殺害した容疑者に与えられた重刑の終身刑を却下した。

■終身刑から12年へ

最高裁判所のこうした解釈により容疑者にはわずか12~18年の懲役が課される。最高裁の解釈によれば、貞操を理由に殺人を犯し、これを家族からの圧力でなく自らの意思によって行ったと証言する容疑者については、軽めの刑が課される。最高裁はこれに留まらず、全く新しい議論を始めた。判決では、貞操殺人は、因習殺人と異なり特定の地域に固有のものではないとし、暗に、因習殺人が民族的根拠をもつものであるとの解釈がなされた。

2005年に施行されたトルコ刑法(TCK)では、因習殺人を妨げるため、画期的な法令が認められた。それによると、因習が理由で殺害が行われた場合、妥当性のない、犯罪を助長するような減刑は行われないと定められた。しかし、女性団体が求めた、すべての貞操殺人もこの範囲に捉えられるべきとの主張は認められなかった。

■ 最高裁判所の後退

最高裁判所は解釈を発展させ、女性団体の期待に逆行した。裁判所は、殺人が因習のために行われたのか、貞操のために行われたのかを明らかにするため「家族会議の決定の有無」を調べ始めた。最高裁判所第1刑事小法廷は容疑者を減刑しなかったが、最高裁判所は、こうしたことから後退した。最高裁判所刑事大法廷は、最高裁判所主席検事局からの、議論を生む反対を受け提出した文書で、婚約者と電話で話した相手を殺害した容疑者に対し、因習殺人とみなされ重刑とされた終身刑は却下されるべきとの決定を下した。

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( 翻訳者:倉本さをり )
( 記事ID:22921 )