イスタンブル株式市場不正取引捜査、サッカーナショナルチームコーチも逮捕
2011年06月21日付 Hurriyet 紙

イスタンブルでの捜査では、株式市場で不正取引を行った容疑により、サッカーのナショナルチーム・コーチのエンギン・イペックオール、及び17歳以下のナショナルチーム技術監督シェノル・ウスタオメルを含む35人が逮捕された。ベシクタシュ・サッカー連盟技術監督のタイフル・ハヴッチュ氏の銀行口座も凍結された。

■元ナショナルチームのゴールキーパー逮捕にショック

イスタンブル県警経済犯罪対策担当局は、イスタンブル証券取引所(İMKB)での不正取引容疑で捜査を行い、35人が逮捕された。サルイェル、ベシクタシュ、バシャックシェヒルで実施された捜査により今朝逮捕された容疑者の中には、ビジネスマン、ブローカー、(証券取引)仲介業者らも含まれていることが判明した。

■警察の駐車場がまるで高級車展示場に

逮捕された人々の間には、サッカーのナショナルチーム・コーチのエンギン・イペックオール、17歳以下のナショナルチーム技術監督シェノル・ウスタオメル、元サッカー選手のメジュヌル・チョラックと息子のアドナン・チョラックも含まれている。他方、容疑者所有のフェラーリ、ポルシェ、BMW、メルセデスといった高級自動車も、捜査の一環として押収された。8台ある車は、ヴァタン通りのイスタンブル県警察署の駐車場で保管されている。当局は、手続きが継続中で、尋問は未だ開始されていないことを明らかにした。捜査により逮捕者数はさらに増加するとされた。

■サッカーナショナルチームからは2人の逮捕者

プロ時代にベシクタシュ、及びフェネルバフチェのゴールキーパーであったエンギン・イペックオールは、昨年グース・ヒディンク氏のサッカーナショナルチームの技術監督に就任に伴い、ナショナルチーム・コーチに就任していた。シェノル・ウスタオメルもトラブゾン・スポーツとフェネルバフチェでプレーしており、22回ナショナルメンバー入りしていた。ウスタオメルは、現在も17歳以下のナショナルチームで技術監督をしている。

■47人の銀行口座が凍結

サルイェルの共和国検察庁は、イスタンブル県警経済犯罪対策局が組織的な(株式)不正取引とマネーロンダリングに関係するとして進めていた捜査で、犯罪証拠の確保、及び不正取引による収入であることを立証するために47人の銀行口座を凍結させた。銀行口座を凍結された人々の間には、べシクタシュ・サッカー連盟技術監督タイフル・ハヴッチュもいる。

■犯罪者は罰されるべき

株式投資協会(BORYAD)会長アリ・バフチュヴァン氏は、株式の不正取引が行われたとの疑いに関し、「株式市場は、こういった捜査により信頼を失ってしまっている。投資家は不安になっている。明らかに犯罪的要素があるのであれば、犯罪者は罰されねばならない」と述べた。バフチュヴァン氏は、イスタンブルの株式市場で不正取引が行われたとして実施された捜査に関し、アナアトリア通信(AA)特派員に対し行った説明で、この種の捜査が開始されたとき、大反響を引き起こしたが、その後裁判所からこの件に関して決定的な判断が下されなかったと述べた。バフチュヴァン氏は、過去にこうした捜査で逮捕された人々が、株式市場での取引を続けていることを指摘した。明らかに犯罪的要素があるならば、犯罪者が刑罰を受ける必要があることを強調するバフチュヴァン氏は、この種の捜査により株式市場は信頼を失っており、投資家が不安になっていると述べた。海外ではこうした捜査はほとんどないと述べるバフチュヴァン氏は、(不正取引を行った犯罪者への)刑罰は、犯罪抑止のためのものであり、犯罪を犯した者は実刑判決に直面しているとした。バフチュヴァン氏は、資本市場協会(SPK)がかつて取引上の禁止事項を撤廃したこと、SPKはこうした禁止事項は不正取引の解決策にはならないとのメッセージを与えたと話し、「SPKは内部規制コントロールの代わり、不正取引が行われるや、その瞬間、その不正に介入するというスタイルを確立していました。しかし、今日この手法は使用されていないようです」と話した。バフチュヴァン氏は、株式市場で動きのない株において大幅な価格変動がある場合、これに関して投資家らは注意する必要があると述べ、投資家らは、投資の際に企業の基礎財務諸表をよく読み、その業界の状況に注意する必要性を強調した。

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( 翻訳者:石川志穂 )
( 記事ID:22997 )