NATO副事務局長、「シリアに武力制裁はなし」
2011年06月22日付 Zaman 紙


ガボール・イクロディNATO副事務局長は、シリアにおいてリビアと同じような制裁を望んでいる者にとって期待はずれの回答をした。このハンガリー人の担当者は現段階では制裁を行う必要があるような出来事は見当たらないことを強調し、暴力事件が悲劇的な状況になった場合には、介入しうると述べた。

シリアで増加している暴力事件に対し国際社会がどのような反応を示すのか今や遅しと待たれていたところでNATOから重要な発言が出た。ガボール・イクロディNATO副事務局長は「NATOにこの段階でシリアに対する任務は見当たらない」と述べた。イクロディ副事務局長は昨日(21日)、アンカラを職務で訪問し、トルコ側関係者との会談においてNATOがシリアにおける役目を担うことは、現在、議題に上っていないと述べた。しかし、このハンガリー出身の副事務局長はシリアにおける暴力事件が悲劇的な状態になった場合NATOがシリア市民の犠牲者を防ぐために介入しうると語った。

ZAMAN誌の取材でNATO副事務局長は、「もし多くの人々の命が危険にさらされたり、目の前で人類の悲劇が起きたり、あるいは、介入をせざるを得ないような状況が生じるということがなければ、NATOにとっての任務は見当たらない」と述べた。イクロディ氏は介入する可能性が近日中に生じるとは考えていないことを強調した。NATO副事務局長は、シリアにおいて良識や理性が勝つことを望むとし、それはシリア政府が約束を守ることによってのみ可能であるとのべた。また、NATOがこの国で制裁を行う場合は、NATO加盟国の意見の一致によってのみ実行に移すことができるとした。

またシリアのリーダーであるバッシャール・アサド大統領が昨日行った演説に関してガボール・イクロディ氏は「アサド大統領は初めて約束したのではない。約束は守られてはじめて意味を持つ。これらが、強力で完全な形で実行されることを期待したい。アサド大統領が国民の声に耳を傾け、変革を行うことが大切である」と述べた。

イクロディ氏はNATOがリビアにはすぐに制裁を行ったのに対しシリアに関しては遅いという批判について、「国連安全保障理事会のメンバーがいろんな方向で発言しているのを見るのならば、これはすぐに実行に移せるものでないことがわかるでしょう」と述べた。ガボール・イクロディ氏はNATOがめざる「縮小しつつ効果的な変革」の一環で、イズミルがNATO陸上戦略基地に選ばれた過程では、とても厳しい交渉が行われたことを明らかにし、「NATOは確かに作戦的、政治的意味において最も適切な決断を下すことを望んだ。これに関してとても長い間、厳しい交渉を行った」と語った。ガボール・イクロディ氏はこの決断を下すにあたって中東地域で起きた事件の影響もあったことを強調し、「「アラブの春」は決定の過程の一部である。北アフリカや中東における戦略的で重要な変化はイズミルにNATO基地設置が考えられていた理由のひとつである」と述べた。

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( 翻訳者:入口 愛 )
( 記事ID:23008 )