エジプトで原発計画の実行延期、科学者たちは不満の色
2011年06月24日付 Al-Ahram 紙


■ユーニス氏、「原発計画の実行延期は計画自体の中止を意味するものではない」と語るも、科学者たちは落胆

2011年6月24日『アル=アハラーム』

【サイード・ハガージー】

エジプトのハサン・ユーヌス電力・エネルギー相は昨日〔23日〕、「原発計画の実行を人民議会選挙の実施と新大統領の選出まで延期することは、計画自体の中止を意味するわけではない」と強調した。

また同相は、「この期間中も電力部門は、世界規模で原子力技術を提供している諸企業の意識調査を継続的に行い、国内外において原発計画に必要な人材育成に集中して取組み続けていく」と明らかにした。

一方で、この決定は多くの原子力専門家に大きな不満をもたらした。彼らは、発電のための核開発計画継続を選挙公約に含めないいかなる大統領候補者にも投票しないと警告し、「原発計画は大幅に遅れており、このことは残り少ない当分野の専門家の国外流出を助長することになるだろう」と指摘した。

これに対し、電力省のアクサム・アブー・アル=アラー次官は、「原発計画に関する全ての事項はすでに決定されている。後は、技術を提供する世界的な諸企業の入札実施にむけて諸手続を開始する決定を下すだけだが、その前に日本の福島で起きた事故を踏まえて入札事項を刷新し、同様の事故をエジプトで繰り返さないために必要な予防措置を全て講じなければならない」と述べた。

元IAEA主席検査官で原子力問題の専門家であるイブラヒーム・アシーリー氏は、「原発建設が1年丸々遅れると、国は50億ドルの損失を被る。なぜなら、今後増え続ける電力需要に対応するためにエジプトは毎年3000メガワットの発電量を必要としているが、核燃料とガス・石油ではコスト面で開きがあるからだ」と語った。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:今井花南 )
( 記事ID:23024 )