エジプト:タハリール広場での暴力に対し広範な抗議の声、そして反革命の動きへの警戒
2011年06月30日付 Al-Ahram 紙
タハリール広場での暴力に対し広範な抗議の声、そして反革命の動きへの警戒
2011年6月30日 『アル=アハラーム』
エジプトの諸政治勢力は、バールーン劇場で起こった事件(*)に反革命勢力が関与していると非難の声を上げた。軍最高評議会は昨日の声明の中で、「革命の青年たち」に対し、祖国の安定を揺るがそうとする混乱の呼びかけに追随しないように、また革命の目的実現阻止を狙う計画にも注意するようにと警告を発した。
イサーム・シャラフ首相は「革命の青年たち」に向かって、自分たちの革命を守るよう、内乱を起こそうとする者たちに追随しないよう、そして国内に混乱を引き起こそうと狙う組織化された動きを暴き出すよう促した。
10の連立からなる革命評議会はバールーン劇場の事件とタハリール広場の事件を非難した。しかしながら、「革命の青年たち」、「4月6日運動」、および同胞団のカッサース氏の率いる青年組織はその非難声明に署名することは拒否した。それはデモ隊を解散させ、デモ参加者を分散させるのに、治安部隊が行き過ぎた手段をとったことを非難するものである。
アレキサンドリアでは怒った人々のデモがカーイド・イブラヒーム・モスクの前で行なわれ、マンスーラでは警察の暴力に対して怒りを表明する行進が行なわれた。
次々と起こるこうした事態を受けて、安全と秩序を維持すべく、(警察ではなく)軍隊に属する部隊が内務省およびタハリール広場周辺の通りに展開した。
司法筋の情報によれば、一昨日の夜および昨日の朝に起きた事件に関わったすべての人間が軍事法廷へ送検されることが決定するということである。それはデモ参加者および警察関係者に4111人もの負傷者を出した事件の状況を明らかにするためである。
タハリール広場の交通は、次第に戻ってきた。昨日の朝までなかば閉ざされ、昼までは数百人のデモ隊と警官の間で小競り合いが続いていたのだが。警官たちは、国民的指導者たちとの合意により、朝早く広場から去り、内務省の前に待機した。
デモ参加者たちは警察と内務省の指導部に対する抗議の叫びを繰り返した。その一方、タハリール広場の中では、数百人のデモ参加者からなる複数の集団が事の真実を見極めようと議論していたのが目撃されている。
催涙弾の成分の残りがムハンマド・マフムード通りには漂う。それは一昨日の夜、この通りでデモ隊と治安部隊の間で起きた衝突のせいだ。通りは石や空き瓶の欠片でいっぱいになった。なかには(内務省に属する)中央保安軍の備品であるヘルメット、ベレー、ガスマスクをつけた者が混じっていたという。
状況の深刻さを考慮し、諸政治勢力および大統領選挙の候補者たちは、最近の内乱的な状況の背後には隠れた手が動いているという見解で一致した。それは前政権の一味が関わっていることを示唆するものである。なぜなら一連の事件は、すべての地方議会の解散が命じられたあとに起きたが、それらのほとんどは、解体された(前与党である)国民民主党のメンバーによって占められていたからである。
しかしながら革命を支持する運動のなかには、一連の事件への内務省の関与を疑い、内務大臣、および同省の複数の幹部の更迭を求めるものもある。さらには前大統領およびその側近の裁判、そして1月革命の殉教者殺害に関与したすべての人間に対する裁判を急ぐよう要求してもいる。
*カイロ郊外のアグーザにあるこの劇場に革命の犠牲者の家族が集まり、追悼式を行なおうとした際に警察がそれを阻止しようとして混乱が発生。
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( 翻訳者:八木久美子 )
( 記事ID:23087 )