最高裁判所長官「バッドヘジャーブな人間への取り締まりは間違い」
2011年06月23日付 Mardomsalari 紙

 最高裁判所長官は、私たちの社会に道徳はいまだ根づいていないと指摘し、「私たちは治安維持軍がバッドヘジャーブな人物(ヘジャーブの乱れた女性)の取り締まりを行うことに期待をかけてきたが、これは間違いである。ちょうど、原因に目をつむったまま、その結果に闘いを挑むのに似ている」と述べた。

 ISNA(イラン学生通信)によると、アーヤトッラー・モフセニー=ゴルカーニーは演説の中で、〔‥‥〕以下のような見解を示した。

私たちにはまだ、足りないものがある。それは、特に道徳心である。私たちの社会では、道徳がいまだ根づいていない。〔社会の〕病理を知ることが、この〔道徳心を社会に根づかせる〕過程における第一歩であり、その上で症状の緩和に向かう必要がある。つまり、まさに医者のように、まず初めに病気を見定めて、その後に治療を行う必要があるということである。

 最高裁判所長官は、会議の出席者らに向けて、次のように続けた。

尊敬すべき軍人、将校、そして裁判官の皆さんこそ、まさにこういう〔医者のような〕存在なのである。敵を知ることは一つの立派な技能である。現在私たちの社会に存在する害悪は、敵地から徐々に浸透してきたものである。いまや敵は軍事的な戦争をしようと動いているのではない。むしろ、かれらは「ソフトな戦争」を携えて、戦場に足を踏み入れているのだ。「ソフトな戦争」とは、すなわち100万もの若者が、敵の目的を〔そうとは知らずに〕嬉々として迎え入れることを意味する。麻薬が我が国に浸透し、いかなる災厄をもたらしているか、あなた方もお分かりだろう。囚人たちのうち、麻薬に手を出して投獄された者の割合は非常に高い。


 モフセニー=ゴルカーニー氏はさらに、

今ある報告によると、我が国の青年男女はクラック〔※麻薬の一種〕に手を染めている。これは一つの害悪であり、著述業やテレビなど表現に携わる者たちには、この喫緊の課題に取り組む義務がある。これは避けることのできない義務である。なぜなら敵は、私たちの社会の青年らを脅かしているからだ。だからこそ、我が国の文筆家たちは社会の啓蒙に努めなければならないのである。

と述べた。

 同氏はその上で、

次の問題は、バッドへジャービー(ヘジャーブの乱れ)である。私たちはこの問題を極めて安易にやり過ごしてきた。この問題はしかし、社会における大いなる堕落の現れなのである。私たちは一人のバッドへジャーブな人間も社会に許すべきではない。バッドヘジャービー現象の蔓延はイスラーム体制にとって相容れないものである

と続けた。

 司法権の高官を務める同氏はその上で、「私たちは、治安維持軍がバッドヘジャーブな人物の取り締まりを行うことに期待をかけるべきではない。これは間違いなのである。これ〔バッドへジャーブな人物〕は、私たち自身が生み出してきた原因の産物に他ならないのだ。〔‥‥〕私たちは原因を忘れ、結果に対し闘いを挑もうしているのだ」と指摘した。

 モフセニー=ゴルカーニー氏は「へジャーブとは、イスラームにおいて必要不可欠、避けることのできないものなのである」と指摘し、さらに

幼年期から学校で正しい教育を受けなかった女性は、そうした〔誤った〕教育とへジャーブのかぶり方のまま、社会に出てきてしまうだろう。それゆえ、私たちは最初の根っ子の部分〔での過ち〕を阻止し、イスラームに基づいた教育を一から行う必要があるのだ。イエメンの女性を見てみなさい、彼女たちは目の部分しか露出していない。彼女たちも同じ人間であり、〔イランの着衣の乱れた女性と違うのは〕イスラームに基づいた教育を受けてきたかどうか、ということにあるのだ。

と述べた。

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( 翻訳者:小松崎翔一 )
( 記事ID:23104 )