Taha Akyolコラム:新内閣は「熟練」内閣
2011年07月07日付 Milliyet 紙

全ての解説者に共通する見解は、新内閣が「テクノクラート(技術家政治)」だというものである。左派の自由主義者はこの概念が、公正発展党の「伝統的な中道右派」政党への回帰の兆しであるとして批判している。
しかし私はそうは思わない。
民意によりもたらされ、民主的な改革を重視し、開発・発展に関しては「テクノクラシー」の視点をもつこの「中道右派」概念について、私は肯定的にみている。
大臣を個々に取り上げる代わりに、重要だと思われる3つの観点から新内閣を批評してみたい。

クルド問題

全ての順調な民主主義において民族問題の解決のために通る道は、一方で「改革」の実施、つまり民主主義の道を切り開くことであり、他方では「安全保障」政策である。この両者はどちらも欠けてはならない。
「改革」や「安全保障」の責任者である副首相にベシル・アタライ氏が就任したことは、今期このような問題をより高いレベルで取り上げることを示している。
ディヤルバクル出身の国会議員、メフディ・エケル氏は農業(村務)大臣を継続する。エケル氏はテクノクラートを熟知する人物だ。大臣としては管区に対するインフラの分野でかなり広範の公共サービスをもたらした業績がある。
テクノクラートとしてはまた、新しく創設された開発省の大臣として入閣したビンギョル出身の国会議員で学者としてのキャリアもある、ジェヴデト・ユルマズ氏が挙げられる。南東アナトリア・プロジェクト(GAP)を筆頭に、地域開発においては専門的手腕を持つ。今期は地域開発とともにトルコの全体的な開発の普及も担当する。

テクノクラシー要員

新しい視点をもたらしたマイケル・ポーターの『国の競争優位』では、極東の奇跡を創出した要因のひとつとして、内閣においては常にテクノクラートたちが重用されていると述べられており、数々の事例を示している。
トルコにおいても、オザル政権下ではそうであった。
ここ10年間の経済成長、あるいは公共サービスにおける進展を基礎を築いてきたのはテクノクラートの大臣たちである:アリ・ババジャン氏、ビナリ・ユルドゥルム氏、レジェプ・アクダウ氏...さらにはここへ、メフディ・エケル氏、ジェヴデト・ユルマズ氏のほか、前期の業績から言えばタネル・ユルドゥズ氏、ザフェル・チャーラヤン氏、そして集合住宅局(TOKİ)での卓越した成功を受けてエルドアン・バイラクタル氏も加える必要があるだろう。
新しい国民教育大臣のオメル・ディンチェル氏も、私は上記の人々と同様の目で見ている。ディンチェル氏はトルコにおいて「e-政府」、つまり公共サービスの電子化の普及に貢献した。首相が選挙集会で手に持ったiPadを見せながら新しい教育生活を説明したことがあった;これは「オメル・ディンチェルらしさ」の一例であろう。

法律と民主主義

先ごろエルグン・オズブドゥン教授との会話のなかで、「新しい法務大臣は引き続きサドゥッラー・エルギン氏になるといいのだが」と話していた。彼は優秀な法律家であり、政治論争を慎む。ヴェニス委員会の委員長であるジャンニ・ブキッキオ氏も、サドゥッラー氏を好意的に評価しており、法務大臣への再任を希望していると述べた。
私はエルギン氏が宣誓問題をめぐる危機の解決にも寄与するのではと期待している。
エゲメン・バウシ氏のような、EU原則を理解するダイナミックな人物を引き続き登用したことは、EUへの強力なメッセージとなる。
トルコの外交政策における国際的な威信を築き上げたアフメト・ダヴトオール氏も、もちろん再任された。
また、かなり肯定的だと思う人物の中には、エルトゥールル・ギュナイ氏の(文化観光大臣の)再任も挙げられる。
家族社会政策大臣のファトゥマ・シャーヒン氏は女性問題に尽力し、どの部門でも対話する、寛容な政治家である。
そう、「熟練集団」の今期にふさわしい内閣である。願うは政治闘争でエネルギーを消耗しないことだ。
成功を祈る。

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( 翻訳者:金井佐和子 )
( 記事ID:23171 )