博物館の名品は、新品かも?―トルコ贋作事情
2011年06月19日付 Radikal 紙


トルコの美術館には3千点近い偽造品があるという。その手法というのは、彫像を地中に埋めて、5、6カ月、待つというものだ。

偽造作品を使って市場で詐欺を行う不届き者が日に増して増える一方で、唖然とするような手法を考え出した偽造業者は美術館員たちさえ出し抜いているという事実が明らかになった。現在、複数の美術館において、3千点以上の偽造品が存在することが明らかになっている。偽造業者はリディアやローマ時代のコインや彫像を作成して、それを5,6カ月土中に埋めて酸化させ、その後、あたかも古い物かのように見せかけて売りに出すのだ。文化観光省も美術館の所蔵品目録からみつかった偽造品に関し、オフィシャルサイトで注意を促している。

アダナで、青銅製の彫像を「歴史的作品」として売ろうとしていた人間がいたのだが、美術館員たちはその彫像(のあまりの出来の良さ)に驚愕した。偽造される作品は彫像、コイン、聖コーランの手稿本、絵画、粘土板が大半を占めている。歴史的作品の偽造業者の手法はかなりユニークだ。偽造業者はリディアやローマ時代のコインや彫像を作成して5,6カ月、それを土中に埋めて酸化するのを待ち、その後、あたかも古いかのように見せかけて売りに出すのだ。

模造業者はエーゲ海や地中海地域にある遺跡や古代都市の周辺に頻繁に出没し、観光客たちをターゲットにしている。多くはコインや彫像の偽造品が出回っているが、最近では絵画の偽造品も市場に出回っていることが明らかになっている。元美術館長のエルデム・ユジェル氏は「私たちは複数の美術館において3千点以上の偽造品が存在することを把握している」と述べ、次のように続けた。「発見される偽造品は日に日に増えています。美術館では現在、専門家の数が不足しています。偽造品が存在するのだという事実をきちんと認識せねばなりません。ガズィアンテップやアダナの近隣地域には偽造作品作製のためのアトリエがありました。これらのアトリエから数多くの作品が美術館に売られているのです。残念ながら、偽造業者と口裏を合わせて、これらの作品が真作であるという報告書を作成して、それを買い取った美術館員もいました。よくできた偽造品であるため、そうと知らずにそれを買ってしまう人たちもいるのです。」



おもしろいことに古代の美術品の密売人たちもお互いにインターネットのサイトを通じてこの偽造業者に注意を促している。とあるサイトでの警告は次のようなものだ。

「みなさん、最近再び偽造業者が現れ始めました。手に贋作の見本をもち、ビニール袋いっぱいの金色の金属をさげて歩き回っている偽造品詐欺ネットワークのメンバーに気をつけてください。無実の人々を選んで偽コインを売りつける詐欺師たちには明らかな特徴があります。手付金と称して多額のお金を要求してきます。そして詐欺師である偽造品業者は、持ってきた偽造品をあなたの手で選ばせることを決して許しません。概してこの手の事に無関心な人たちを選び、被害者となるのは、こうしたことをよく知らない人たちです。あなたの親戚や知り合いに対し、このような人々への注意を促してください。お金をだまし取られてはならない、と。」

■本物のコインは、手の中で滑る

本物のコインの表面にある錆は、酸やレモン汁、アルコールや酢のような物質で取り除くことができるが、偽造コインの表面錆は湿った布でとても簡単に拭き取ることができる。本物のコインの表面の錆は藻のような緑がかった煙の色をしている。
本物のコインは手の中で滑る。
重さとサイズが不釣り合いな品物や、文面に文字の誤りがある品物に対しても注意を払う必要性がある、という。

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( 翻訳者:石井宏樹 )
( 記事ID:23189 )