イラン、臓器提供に向け大きな一歩を踏み出す
2011年07月06日付 Jam-e Jam紙

イランにおける臓器移植の普及と慣習化のために、臓器の自発的提供の意思を運転免許証に記載する案が検討されている。

【社会部:マストゥーレ・バラーダラーン=ナスィーリー】現在、わが国における臓器提供の割合は100万人当たり4.4件の移植となっている。その一方で、臓器提供の理想的な数値は人口100万人当たり15件の移植である。この現実と理想の数字のギャップは、わが国でのこの問題に対する信用の欠如と、関連する法律や文化の面での脆弱さに原因がある。

 わが国における最初の移植の事例は、1314年(西暦1935年)の角膜移植だが、脳死患者臓器移植法が可決され、その2年後に運用のための法令が発表された1379年(西暦2000年)まで、故人からの臓器移植についての法律や具体的な計画は我が国には存在しなかった。

 残念ながら、上記の法律では自分の臓器利用に対する脳死患者の文書での許可や遺言状があっても、故人の保護者が移植の許可を医師たちに与えなければ、移植することはできない旨が強調されている。

 実際に、もし今あなたが遺言状、さらにはドナーカードさえ持っていたとしても、それでもなお他の患者たちを救うためにあなたの臓器を利用できるかどうかは、あなたの保護者や近親者次第なのである。

 悲劇が起こるのは、通常イラン人の家族は、臓器提供に対して心から同意していないためである。あるいは、臓器移植に必須な文化がまだ普及していないためだ、と言った方が良いかもしれない。

 しかし今、こうした法律上の制限にもかかわらず、保健省は故人からの臓器提供の自発的意思を運転免許証に記載する案を、交通警察の協力のもとで実現しようとしている。

 この案では、もし運転免許証に臓器の自発的提供についての選択が記載され、その人物が事故に遭い、その後脳死になれば、本人の意識的な同意、そしてもちろん、家族の同意さえあれば、臓器移植を行うことができるようになる。

 保健省の移植・特殊患者課の課長であるモハンマド・アギーギー博士は、このことについて言及した上で、ジャーメ・ジャム紙の取材に、次のように述べている。「たとえ現在の法律が、いかなる場合にも脳死患者の臓器利用を故人の保護者の許可次第だと規定しているとしても、このこと、すなわち運転免許証への自発的臓器提供の選択の記載を利用することによって、イランの家庭に〔臓器移植に向けた〕良い文化を普及することができるはずだと、私たちは確信している」。

 同氏はその上で、運転免許証への記載が普及することによって、人々がこの問題について考え、また多くの家庭でこの問題が話し合われることによって、〔臓器移植に〕必要とされる文化の普及が実現するのではないか、との見方を示している。

 わが国では脳死に関する正確な記録は存在しないとはいえ、統計によれば年間3万件以上の交通〔死亡〕事故がわが国で起こっており、実証的な形ではないにせよ、この数に比例して脳死件数も多いことが予想されている。

〔‥‥〕

 先述の保健省臓器・特殊患者課長の話によれば、各国における移植の割合は人口100万人に対する故人からの臓器移植数に基づいて計算される。イランにおける86年〔西暦2007年〕のこの数値は100万人当たり2.3件であったが、現在では100万人当たり4件以上に達している。しかし世界で最も高い割合のスペインでは、この数値は100万人当たり35件であり、アメリカでは100万人当たり25件である。

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(翻訳者:須川美保)
(記事ID:23258)