Murat Yetkinコラム:ラマザン月前に、リビア停戦を―トルコの努力
2011年07月15日付 Radikal 紙

リビア停戦へ向けた議論の口火をきる唯一のロードマップはトルコの提案から

7月15‐16日の2日間、リビア・コンタクト・グループの関係者たちが、会議のためイスタンブルに招待された。トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、リビアの状態を悪化させないよう、ラマザン月前の解決を呼びかけた。

ダウトオール外相は、リビア・コンタクト・グループの第4次会議が開催される、ボスフォラス海峡に面した歴史的なチュラーン宮殿で、記者団と会見を行った。(そこで外相は)ラマザンの際に休戦が約束されず、空爆が続いた場合、それはムアンマル・カダフィに有利になるだけだと語った。リビア・コンタクト・グループ関係各国には、ラマザンが始まるまで2週間しかない。

ダウトオール外相が誇らしげに語った通り、リビアで続く内戦の解決に向けた議論の口火をきるロードマップはトルコからの提案である。このロードマップ案の内容は次のようなものだ:

まず、首都トリポリのカダフィ政府軍と、ベンガジを拠点とする反政府軍の間で休戦を宣言させなければならない。この休戦は国連が監視する。ダウトオール外相は、「トルコは監視軍に参加したい」としている。

次に、衝突が収まった都市に対し、水、食料、燃料のような生活必需品が国連の保護下で支給される必要がある。ダウトオール外相の説明では、「この間、カダフィが、出国でなくとも、(少なくとも)政権を放棄するよう、戦略を探らなくてはなりません。そしてこのやり方で、必要ならば国連の第1970条項を吟味しなくてはなりません。」これは「ムバラク式の解決ということになるのか」という記者の質問に対し、ダウトオール外相は、「そうなるかもしれません」と答えた。さらに別の記者からは、開示された条件下でカダフィにとって国に残ることが安全なのかどうか、という質問が出た。ダウトオール外相は笑いながら「こうした合意が結ばれれば、それは問題になりません」と答えた。

カダフィ後のリビアのためにトルコが提案したのは国家再建委員会の設立だ。委員会の中心は5人となることが想定されている。トリポリ側からベンガジ側が承認した2名、ベンガジ側からトリポリ側が承認した2名、そしてこの4名によって任命される5人目のメンバー…。この委員会はリビアの新憲法の基礎を明らかにする。

トルコが提示したロードマップの中で最も興味深い提案の一つが、カダフィに対する復讐行動を回避することだ。アンカラはイラクで破壊的に振る舞ったバース党、その解体過程から学ぶ必要性を感じた。なぜならそうした過程が現在この国で設立される新体制への大きな反発理由となっているからだ。

リビア会議はトルコとEUとの関係がキプロス問題によって後退した時期に開かれている。ダウトオール外相は、一昨日(7月13日)、2012年までにキプロスのトルコ系とギリシャ系の地域が再び統合される方向での解決がなされないのであれば、トルコはEUとの政治的関係を凍結する可能性があるとし、ギリシャ系政府が統べるキプロス共和国が2012年の下半期にEUの期間議長となるのを認めないようにと語った。

欧州委員会の(加盟国)拡大担当のステファン・フュレが「この種の解決には時間がかかる」との対応をしたことについて触れられると、ダウトオール外相は次のように答えた;「私は(彼とは)全く反対で、これら(の問題)を(今こそ)語るときだと思います。手遅れになる前に対策を講じようと我々は必死に呼びかけているのです。我々がリビアでやろうとしていることはこれなのです。」

(本記事はAsahi中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:杉田直子 )
( 記事ID:23287 )