Şükrü KIZILOTコラム:何十万人もの退職者が固唾を呑んで見守っている
2011年07月18日付 Hurriyet 紙

最近、退職者からの質問や苦情が相次いでいる。

いや、相次ぐどころか、集中砲火を受けている状態だ。
内容は、退職年金に関するものだ。
全員が固唾を呑んで説明を待っている。
その数は決して少なくない、何十万人もの退職者がいるのだ。

■一体どういうことなのだ?

公務員を退職し、民間部門に勤めた人々で社会保険機構(SSK)、あるいは自営業者保険組合(Bağ-Kur)から年金を受給する何十万人もの退職者がいる。
(受給する退職者が)死亡していたとしても、相続人がいる。
憲法裁判所は少し前に、これらの人々に対して公務員に適応される期間に相当する部分の年金受給が可能となる決定を下した。もっと正確に言えば、(相当分の)年金が支払われないことについての法的裁定を破棄したのだ。
これは素晴らしい朗報だった。
実際、7月13日付けの本紙にて「公務員を離職した人々へ年金の朗報」と言う見出しで詳細を報道した。
ここまでは良かった。
7月9日以降にSSKあるいはBağ-Kurからの年金受給者となる人々は、それ以前に公務員へ適用されていたサービスを理由に、(相当分の)年金を受け取ることができる。
これは朗報だ。
憲法裁判所の決定が下される以前、(公務員に相当する)年金受給を希望して訴訟を起す退職者がいた。
とりわけここ2年半ほどのあいだ、本紙ではこれらの退職者たちへ繰り返し「訴訟を起せ、年金を受給できるチャンスが高まる、訴訟を起さないなら受け取れないリスクがある。憲法裁判所が決定を下す前に訴訟を起せ」と伝えてきた。何度も紙面で伝え、さらには嘆願書のサンプルも提供してきた。
そしていま、彼らの訴えは勝訴の見込みだ。年金がついに支払われることになる。
本紙にも「感謝のメッセージ」が次々と寄せられている。
これもまた、素晴らしいことだ。
退職年金の支払いに関して訴訟を起した1万人を超す退職者の一部は年金を手にした。残りの大部分も、来週、あるいは来月には年金を受け取ることになるだろう。素晴らしい・・・

■では、固唾を呑んでいるのは誰?

そこで、みなさんはこう言うだろう「この人たちは全員いいじゃないか。それじゃあ、固唾を呑んで待っている何十万人もの退職者っていうのはどんな人たちなんだ?」と。
ご説明しよう;
憲法第153条には「憲法裁判所の決定はさかのぼって適用されない」と記載されている。したがってこの条項は訴訟を起していない人々を悩ませるものとなるわけだ。
この条項に則れば、何十万人もの退職者はこう告げられていることになる「みなさん、この決定は2011年7月9日に適用されました。この日付け以前に訴訟を起した方々は年金を受け取れます。でも、あなたたちは訴訟を起さなかったので、憲法裁判所の決定はさかのぼって適用されませんから、年金は受給できません」。
退職者たちの言い分はこうだ;
「政府を信じて訴訟を起さなかったのだ。訴訟を起した人は受け取れる。政府を信用することが罪になるなんて、ありえるのか?我々は年金を受け取れないっていうのか?」
退職者は、「法治国家」、「法の下の平等」、そして「司法」の原則と言う点からも、おおいにもっともなのである。

この一件はまた、別の角度からこう見ることもできる;憲法第153条の「否決はさかのぼって適応されない」という原則は「満了した、結論に達した手続きに対して」のものだ。しかしこの件では「満了した、結論に達した手続き」というものはない。これを理由に、以前に訴訟を起さなかった人々は、まず社会保障機構に、その後、棄却された状態で60日以内にアンカラ地方行政裁判所への申し立てを試してみることは可能だ。

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( 翻訳者:金井佐和子 )
( 記事ID:23322 )