Oral Calislarコラム:クルドはひとつの政党におさまらず
2011年07月31日付 Radikal 紙


ブルカイは、「今の時代にクルド人が一つの政党におさまることはありえない。連邦制であれ自治であれ、民主主義的でないといけない」と述べた。

ケマル・ブルカイは、ストックホルムのアルランダ空港で当紙のコラムニスト、オラル・チャルシュラルに、オジャランやPKKとの論争は避けるつもりであり、平和的解決に自身の活動の重点を置いていくと話した。さらに、オジャランが普通の刑務所に移送され、徐々に自由を得ることに賛成であると述べた。チャルシュラルが、40年来の友達であるケマル・ブルカイとトルコに帰国する直前に行ったインタビューは以下の通り。

オラル・チャルシュラル:憲法改正の国民投票であなたは「賛成」と述べた。エルゲネコン裁判についても最初から、この裁判がトルコの民主主義化のために重要であると述べた。あなたはTRT6(クルド語放送)を支持した。これらは、左派の中でのそしてクルド人らの中での論争のテーマだった。
ブルカイ:左派の一部は自分たちを刷新できなかった。彼らを私は「過去の遺物」と見なしている。彼らはまだトンネルの向こう側にいる。そうなると、さまざまな問題をナショナリスト的な反帝国主義的視点で見ている。自分達をある意味、反米主義に自動的に結び付けている。わが国では、左派はナショナリスト的な方向にスライドしている。公正発展党政権期における変化を左派は理解できなかった。公正発展党からあまり多くのことを期待することはできない。私も期待していない。しかし、偏見も私はもっていない。彼らが行ってきた前向きな政策を私は支持している。TRT6が開局した際、私は支持した。これと同時に憲法改正の国民投票は、政党を解党させることさえも難しくする条文を含んでいた。公正発展党のような政党が行う改革を過小評価すべきではない。左派、クルド人活動家、アレヴィー派は、この変化を十分に評価しえていない。

■クルチダルオールは、クルド人であることをなぜ隠している。

オラル・チャルシュラル:クルチダルオール氏もあなたのようにデルスィム出身である。彼が出てきたことをどのように考えているか?
ケマル・ブルカイ:クルチダルオールについては、私も最初から不安があった。共和人民党の変化を、私は肯定的に受け止めていたと、まずは言いましょう。彼が党首についてから徐々に振る舞いが気弱になってきた。自分がクルド人であることを言及しなくなった、さらに自分のルーツをトルクメン人にまで拡大しようとしている。しかし私達は彼のことを知っている、デルスィムのザザ語をはなす部族出身である。クレイシャン部族である。その部族は、トルクメン人とは全く関係がない。それにも関わらず、選挙期間になると肯定的な発言をした。クルド問題の存在を認めた。「私が解決する」と語った。そして話した内容が政党の中で批判を浴びた。そこで彼はまた引き下がってしまった。
オラル・チャルシュラル:民主社会会議(DTK)のスポークスマンは、あなたにDTKに参加してほしいと述べたが・・・
ケマル・ブルカイ:その呼びかけを私はとてもいいことだと思っています。その呼びかけを受けるかどうかは別問題ですが。クルド人の間では、組織間で、あるいは政治家の間でそれぞれお互いを認めず、理解不可能といった認識が昔からありました。私達も文明的に、しかし異なった様々なやり方で自分たちの闘争を行えるはずである。力を合わせ共に活動すること、一つの政治路線が他の路線に対し優位となること、これらは従属といった形をとるべきではない。つまり、こうした関係は家父長的関係であってはならない。これを実現できれば、私達ができる共通のことがある。平和民主党(BDP)の政策だからといって私達は全てに反対しない。前向きな素晴らしい意見であれば、どうして支持しないことがあろうか。過去に言葉の問題でボイコットが問題になった。それは象徴的なことであった。クルド人の子供たちにクルド語教育を望むことである。将来クルド人の間でこのような市民による不従順運動がおこりうる。

■自治を望むのは正常である

クルド語教育を希望している。とても自然な欲求であるこれは。自治を望むことも当然であると考える。どのような形の自治であるのか、まだ明確になっていないとしても、信条として要求されうる。私達も連邦制を望んでいる。これを、現段階では、流血を伴わずに行うことができるはずだ。これらは国民投票によってのみ可能だ。カナダのケベックで国民投票が行われ、ケベックの住民は分離を選ばなかった。同じことが私達でなぜできないのか。連邦制でも自治でもいい、一度民主的になることがとても重要であると考える。クルド人は今の時代に一つの政党でまとまることなどありえない。個人を偶像崇拝してもいけない。政党をやみくもに崇拝してもいけない。革命家で左派の代表のようなバース党などが体制を壊してしまう時代に、もはや新たなバース党は必要ない。トルコも民主主義的にならなければならない。クルド人もである。封建領主のようになってはいけない。


(本記事はAsahi中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:23498 )