空席だった閣僚ポスト、ついに埋まる
2011年08月04日付 Jam-e Jam 紙

マフディー・ガザンファリー、ロスタム・ガーセミー、アブドッレザー・シェイホルエスラーミー、及びモハンマド・アッバースィーの四氏、各省の大臣として信任

 大統領が大臣として指名した4候補が国会議員からの高い支持を得て、大統領府の一員となることが認められた。これにより、空席だった閣僚ポストがついに埋まった。

 ジャーメ・ジャム紙によると、〔…〕国会は昨日、公開本会議において協同労働福祉相にアブドッレザー・シェイホルエスラーミー氏を、鉱工業商業相にマフディー・ガザンファリー氏を、石油相にロスタム・ガーセミー氏を、そしてスポーツ青年相にモハンマド・アッバースィー氏をそれぞれ信任した。出席議員246名のうちマフディー・ガザンファリー氏は賛成218票・反対20票・棄権7票、ロスタム・ガーセミー氏は賛成216票・反対22票・棄権7票、アブドッレザー・シェイホルエスラーミー氏は賛成204票・反対31票・棄権10票、そしてモハンマド・アッバースィー氏は賛成165票・反対61票・棄権19票を獲得し、空席のままだった大臣の椅子を埋めることとなった。〔…〕

 〔‥‥〕

石油相をめぐる攻防

 アリー・ラーリージャーニー氏は第8期国会議長に就任して以来初めて、政府が指名した大臣候補を支持する発言を行った。大統領が石油相候補に指名した、ハータモル・アンビヤー部隊司令官のロスタム・ガーセミー氏に対する支持表明がそれである。同氏の反対者の中には、アリー・モタッハリー議員(テヘラン選出)などが含まれてきたが、アリー・ラーリージャーニー氏という強力な支持者のおかげで、今回高い得票数を得ることが出来たのだった。

 アリー・モタッハリー議員は石油相候補への反対演説の中で、ガーセミー氏自身は〔石油相を担うに〕ふさわしい能力をもった敬虔な人物だと認める一方、同氏は革命防衛隊に所属する、軍の中心人物の一人でもあると指摘した。

 モタッハリー氏は体制の利益と未来について触れ、「私が強く訴えたいのは、軍事組織としての革命防衛隊が政治的・経済的な権力と結びつくべきではない、別の言い方をすれば革命防衛隊は「政府化」すべきではない、という総体的な原則である。宗教指導者の「政府化」に、イマーム〔・ホメイニー〕や殉教者モタッハリー〔※アリー・モタッハリーの父親で、1979年の革命で最も大きな影響を与えたイデオローグの一人〕が強く異を唱えていたのと同じである」と述べた。

 モタッハリー氏はさらに〔…〕、「石油省の大臣を軍人が担うことは軍と政治、そして経済が一つに繋がる原因となる。そこから腐敗が生まれる可能性がある」と述べた。

 同議員は、「大臣に対して国会が質問を行ったり、問責したり、そういった国会の大臣に対する監督機能に支障を来す可能性が生じることが、今回の措置がもたらすであろう最初の弊害だ」と指摘した上で、「革命防衛隊は現在、嘘か真か、民間部門との不平等な競争によって、様々な開発プロジェクトを独占していると非難されている。〔…〕それに石油という広大な領域が加わることにより、こうした非難の声はさらに強くなるだろう」と語った。

 同氏は続けて、ガーセミー司令官が大臣に就任することに反対しているのは、〔ガーセミー氏個人に対してではなく〕基本的に軍部が政治権力や政府に浸透しつつある傾向に対してであると指摘し、その理由として、軍部の浸透は国家にとって有害との見方を示した。

 アリー・モタッハリー氏のこうした発言に対して、多くの議員からは反発の声が上がり、一部議員らがこの発言に抗議する事態に発展した。石油相候補に賛成の立場をとるヘシュマトッラー・ファラーハトピーシェ議員(西エスラームアーバード選出)は、自身の〔演説に割り振られた〕時間の半分をアリー・ラーリージャーニー議長に委ねた。これにより、国会議長は初めて、一大臣候補のための支持演説を行うことになった。

 国会議長はロスタム・ガーセミー氏への支持演説のなかで、「我々はガーセミー氏のような人物が国内で様々な責任を担う立場にいることを誇りに思うべきであり、彼の名が〔国連安保理の〕制裁リストに載っているとかいった話に耳を傾けるべきではない。それ故、国会は彼を信任し、〔欧米に対してイランの立場を示す〕象徴とすべきである」と語った。同氏はまた、ガーセミー候補に反対する議員たちの革命防衛隊に関する発言について触れ、「私が見るところ、あのような発言は正しくない」と述べた。

 〔‥‥〕

 ラーリージャーニー氏は、革命防衛隊がこうした経路〔=石油省の大臣〕をつたって政治に浸透しようとすることは危険だとしたアリー・モタッハリー氏の見解は正しくないと述べ、これに対して国会議員らからは称賛の声があがった。〔…〕

 国会議長は、この手の問題を理由に〔ガーセミー氏のような〕人物を国から奪ってはならないと述べた上で、「ガーセミー氏の名が石油相候補として示されてから、革命防衛隊、特に彼個人への反対の波が起こった。彼の名前は制裁リストに載っており、さまざまな問題を必ずや引き起こすだろう、といった内容の議論である。しかし、こうした話に耳を傾けてはならない」と語った。

 ラーリージャーニー氏はさらに、「この手の話が出たからこそ、国会はガーセミー氏に象徴的な票を投じるべきだと、私は信じている」と強調した。

 国会議長のこの発言に対して、議員たちからは賛同の声が沸き起こった。

〔‥‥〕

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( 翻訳者:米川千帆 )
( 記事ID:23609 )