アーマネさん、酸ふりかけ犯を赦す―イスラーム人権委員会、アーマネさんを讃える
2011年08月01日付 Jam-e Jam 紙

【事件部:ナーセル・サブーリー】昨日、司法病院に居合わせた人々にとって信じられない出来事が起きた。皆が酸ふりかけ犯に対する「失明の刑」の執行を待っていた時、突然、アーマネさん(酸ふりかけ事件の被害者)が刑の執行停止を要求、途切れ途切れに「私は彼を赦しました。刑を停止して下さい」と述べたのだ。

 ジャーメ・ジャム紙の報道によると、土曜日の夜、アーマネさんの家の電話が鳴った。電話の主はアーマネさんに、日曜日の朝に刑事警察への出頭を要求、アーマネさんがその理由を尋ねても、その人物は朝6時半に来て欲しいと求めるばかりだった。

 電話が切られると、不安がアーマネさんを襲った。しかし彼女は、刑事警察への出頭は酸ふりかけ犯のマジードをめぐる問題と無関係ではないことに気付いていた。マジードとは、1383年アーバーン月〔西暦2004年11月〕に、卑劣にも酸でアーマネさんを襲撃し、その若娘の視力と美貌を奪い、彼女の人生を破壊した若者のことだ。

 アーマネさんは昨朝、親族をともなって刑事警察に出頭、そこでアミールアーバーディー次席検事(刑事検察庁長官)、ならびにジャムシード判決執行判事と面会し、まさに今日が、酸ふりかけ犯の両目にキサース刑(同害報復刑)を執行する、7年間待ちに待った日であることを悟ったのである。

 アミールアーバーディー判事とジャムシーディー判事は警察関係者とともに、アーマネさんにマジードを赦すよう求めたが、彼女はただ微笑み、沈黙を守ったという。その数分後、アーマネさんは両親と兄(弟)と一緒に、司法病院へ向かった。アーマネさんの兄(弟)が、彼女の代理人として判決を執行することになっていた。

 午前8時頃、アーマネさんは兄(弟)と共に刑の執行が予定されている部屋に入った。彼女から少し離れたところにマジード(事件の犯人)がいた。彼はアーマネさんを見るや、悪態をつき始めた。「彼女は嘘をついている、彼女は失明なんかしていないんだ…」。

 この間、アーマネさんはただただ微笑んでいた。殆ど全ての人が〔アーマネさんがマジードを赦すことはないと〕絶望し、彼女の兄(弟)が〔マジードの眼に〕酸をたらそうと点眼容器を手に持って、刑を執行しようとしたまさにそのとき、アーマネさんは震える声でこう言ったのである。「待って。私は彼を赦します」。

〔‥‥〕

 〔アーマネさんことばに〕しばらくの間ショックを受けていたマジードは、突然大きな声をあげて泣き出し、自らの身をアーマネさんの足元に投げ出した。「私が間違っていました」と泣き叫ぶ彼の嗚咽は〔‥‥〕、部屋中に鳴り響いていた。

〔‥‥〕

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( 翻訳者:森田沙里 )
( 記事ID:23635 )