アメリカ人スパイ2名に下された判決への反響
2011年08月23日付 Jam-e Jam 紙

モスレヒー氏「この者たちが任務を有し、計画を立てて入国したことは明らか」:クリントン氏「この判決に絶望」

 三日前に二人のアメリカ人に下された判決は、各メディアで大変な反響を引き起こした。シェーン・バウアーとジョシュ・ファタルの2名はサラ・ショードとともに、二年前にイランのイラク国境近くで逮捕された。サラ・ショードは一年後に保釈金を支払って釈放され、アメリカへ帰国したが、バウアーとファタルの2名は、裁判が開かれるまでイランにとどまることとなった。

 そしてついに、スパイ容疑と不法入国の容疑に問われた2名に対する裁判が開かれ、土曜日に彼らへの判決が下された。判決の内容は、バウアーとファタルそれぞれに対して、禁錮8年を言い渡すものだった。

 さて、テヘラン一般革命検事長は二人のアメリカ人に対して合計で16年の禁錮刑が下されたと強調し、「この判決に関しては、20日以内にテヘラン州高裁に対して異議を申し立てることができる」と述べた。

 イラン学生通信(ISNA)によると、ジャアファリー=ドウラトアーバーディー検事長は、「保釈金によって釈放されたサラ・ショードの件も、依然としてオープンなままだ〔=彼女の裁判が終わったわけではない〕」と指摘した。

 しかし、今回の判決の発表に対しては、アメリカから抗議の声が上がっている。

〔‥‥〕

 ヒラリー・クリントン米国務長官は今回の判決に対して、絶望的な内容だとし、「我々は彼らの釈放に向けて、これからも努力を続けていくつもりである」と加えた。

 これに対しイラン情報相は、今回の件に関して説明を行い、上記の三人のアメリカ人はスパイであったと強調しつつ、「逮捕されたアメリカ人は〔事前に〕計画を立ててイラン国内に入国したのだ」との見方を示した。

 イラン国営通信(IRNA)によると、ホッジャトルエスラーム・ヘイダル・モスレヒーは閣議後〔の記者会見で〕、「今回の判決は、司法によって、法や規則に従って下されたものであり、司法機関の仕事に干渉することはできない」と述べた。

 同氏はさらに、「しかし、この者たちがいかなる状況にあったのか、つまりスパイであったのか、それとも〔単なる〕登山者であったのかについては、諜報機関〔=情報省〕の管轄だ」と述べた上で、「諜報機関として逮捕されたアメリカ人に対して行った捜査、会話、そして取調べの結果、この者たちが何かしらの任務を帯びていたことは、われわれには明々白々だ」と続けた。

〔‥‥〕

 一方で、この三人のアメリカ人の弁護人を務めるマスウード・シャフィイー氏は、「今回の裁判がラマダーン月に合わせて開かれたことから、この二人のアメリカ人容疑者に対して、イスラーム的な恩赦が適用されることを期待していたのだが」と述べつつ、近々、被告らに対する判決の見直しを訴え出る予定だと述べた。

(本記事はAsahi中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:古賀夏樹 )
( 記事ID:23730 )