アゼルバイジャンがトルコのTVドラマを禁止した真の理由とは?―ウィキリークス文書
2011年09月04日付 Milliyet 紙
アリエフ大統領(右)
アリエフ大統領(右)

アゼルバイジャンでのトルコのテレビドラマ禁止について、これまで発表されていたものとは別の理由だったことが明らかとなった。

2008年末、トルコのラジオ・テレビ高等機構(RTÜK)のような機関である、アゼルバイジャンの国家ラジオ・テレビ放送委員会は、「テレビドラマや映画、その他の番組はアゼルバイジャン語で(のみ)放送する」と決定し、トルコのドラマも例外とはされなかった。民間のテレビ局関係者らも、トルコ語に関する問題が解決されていない点を指摘し、解決されるまではトルコのテレビ番組を放送しないとしたのであった。

ところがウィキリークスが公開した新たな文書では、トルコのドラマに対する(放送)制限の直接の出所はアゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領で、その根本的な理由もスカーフ問題であったことが示された。バクーの米国大使館によって準備された2009年1月23日付の機密文書には、米国関係者とアリエフ大統領間での会談の様子が記されている。

■スカーフ姿に不快感

それによると、アリエフ大統領はその会談でトルコのドラマに対する制限が「イスラム主義」への不安感によるものであると話し、ドラマのなかにスカーフをかぶった女性たちが登場することが、自分たちに不快感を与えていると明かしている。文書ではアリエフ大統領の次の発言がはっきりと認められる:「イラン人が女性たちにスカーフを被らせているのをのを見て、我々は笑っている。しかし人々は、トルコ人が女性たちにスカーフを被らせているのをのを見たら、それを深刻に受け取りかねない。」
同文書によれば、アリエフ大統領からテレビプロデューサーらに「非公式な要請」があり、今後、放送においてスカーフ姿の女性を登場させないよう求められたという。

【訳者注】
アゼルバイジャン語はトルコ語と近い関係にあり、かつてアゼルバイジャン国内では、トルコのテレビ番組がトルコ語のままで放送されていた。
今回問題になっているトルコ語による放送の禁止は、アゼルバイジャンで2008年に施行されたもので、当時の禁止理由は「トルコ語放送がアゼルバイジャン語の普及を妨げているため」などというものだった。

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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:23835 )