エルドアン首相、シリアへの懸念は「スンナ派・アレヴィー派対立激化」
2011年09月14日付 Radikal 紙

エルドアン首相はアラブ世界の報道陣に対し、シリア国民の怒りは治安組織において重要な位置にあるアレヴィー派(訳者注)へ向けられていると述べた。

カイロ-レジェプ・タイイプ・エルドアン首相はエジプトの報道陣に対し会見を行った。首相はシリアでの展開について、「アレヴィー派とスンナ派の間で、シリアで内戦が勃発することを危惧している」と発言した。

「アレヴィー派が体制の中で、また治安組織において重要な位置にあること」を指摘したエルドアン首相は、「国民の怒りは彼らに向けられている」と言った。活動家の死に責任があるとされる政府支持の市民兵も、アレヴィー派に属しており、このためアレヴィー派と多数派であるスンナ派との和解はますます難しくなっていると述べた。エルドアン首相は、シリアの展開に関してイランとコンタクトを取っており、アフメト・ダヴトオール外相が近くテヘランを訪問することにも言及した。

■チェリキ副首相も「宗派」と発言

先日、公正発展党(AKP)のヒュセイン・チェリキ副首相は、共和人民党(CHP)をバース党と比較し、「もしかしてケマル・クルチダルオール氏は宗派が近いという理由でシリアに肩入れをしているのか?」と述べた。チェリキ副首相はこの後会見を開き、全体主義と権威主義という性質の類似から、バース党の政治体制とCHPを繋げたのだと述べ、「スンニ派かアレヴィー派かということは一切関係ない」と訂正発言をした。

【訳者注】本記事の「アレヴィー派」とは、シリアの「アラウィー派」(バース党幹部を輩出する少数宗派)のこと。トルコのアレヴィー派とシリアのアラウィー派は別のもとの考えられているが、トルコの政治文脈では同一視される向きもあり、本訳では首相の発言そのままに「アレヴィー派」とした。なお、ケマル・クルチダルオールCHP党首はアレヴィー派の出身。

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( 翻訳者:大嶽真梨子 )
( 記事ID:23969 )