NATOミサイル網レーダー設置決定、ワシントンとの間で調印式
2011年09月14日付 Milliyet 紙


NATO(北大西洋条約機構)のミサイル防衛システムの一環として、トルコに設置予定のレーダーに関しワシントンとトルコ政府の間で調印式が行われた。

外務省の情報によると、NATOのミサイル防衛システムの枠組みでトルコに設置されるレーダーの場所が確定し、今朝合意書に署名がなされた。

トルコ代表としてフェリドゥン・スィニルリオール外務事務次官が署名した。アメリカ合衆国側はというと、代表として在アンカラ米大使のフランシス・リチャルドーネ氏が署名した。

レーダーはマラトゥヤのキュレジキに設置される。キュレジキでは現在レーダー基地が1つ配置されている。この基地はアメリカにより設置されたがその後トルコ国軍に権限が移譲された。新しいレーダーは同基地に設置される予定だ。

新システムはドイツにある防衛センターから制御される。運用に関してはトルコも発言権を持つ。ドイツの防衛センターではトルコ国軍から将官級の連絡将校が任務に就くことになっている。

トルコはレーダーシステムに関してイスラエルと情報を共有することに反対していた。レーダーを利用することでトルコのレーダー及び東地中海が追跡可能となる。

■「キュレジキの軍施設に設置予定」

外務省はNATOのミサイル防衛システム構築における早期警戒レーダーに適当な土地探しと法整備が終了し、レーザーがキュレジキの軍施設に設置されることが確定したと発表した。

外務省のセルチュク・ウナル報道官は、ミサイル防衛システムの枠組みで設置されるレーダーに関する最新動向への質問に対し次のように述べた:

「NATOのミサイル防衛システム構築の一環として早期警戒レーダーが我が国に設置されることに関し、その準備が最終段階に入ったことはご存知の通り9月上旬に発表しました。この枠組みで土地探しと法整備が終了し、レーダーがキュレジキにある軍施設に設置されることが確定しました。この施設は元々過去にも同様の目的で利用されたことがあります。」


■ミサイル防衛システムが設置されるのはキュレジキに決定

フランシス・リチャルドーネ米大使とフェリドゥン・スィニルリオール外務事務次官が調印した合意書と共にNATOがトルコに設置するミサイル防衛システムの設置場所がマラトゥヤのアクチャダー郡キュレジキ地区に確定した。

合計7つの村があるキュレジキ地区の、旧米レーダー基地があった場所に設置が計画されているミサイル防衛システムは、既に村人たちを不安にさせている。軍施設のあるケペズ村のケマル・キョルオール村長は、このニュースをテレビを見て知ったと明らかにし、村人はシステムがキュレジキに設置されるため非常に心配していると語った。キョルオール村長は、以前もアメリカのレーダーが同地域にあったとし、「このシステムは私が知っている限り人体の健康を脅かすシステムです。以前にもこのレーダーによる被害を見ました。村ではレーダーが原因であると考えられている多くの癌が発症しました。現在村の住民から大きな反発が出ています」と述べた。

ケマル・キョルオール村長は、同システムがトルコに設置されることで中東におけるいくつかの国との関係が悪化する可能性があると述べ、次のように続けた:

「我々はミサイル防衛システムがこの地に設置されることを望んでいません。同意書に調印されたことはテレビを見て知りました。設置場所としてここを選んだ理由は、おそらく以前にもここにアメリカのレーダーが存在していたからだと思います。システムが設置される場所は同地域を見渡すことのできる丘です。ここ1年で同地を訪れる人はいません。以前は空軍が行き来していましたが。以前レーダーがここにあったころ、村では癌になる人がいました。多くの人が癌により命を失い、その死はここにあったレーダーが原因であると考えていました。このミサイル防衛システムがこの地へどのような被害を与えるのか、村の人は本当に心配しています。『どうしてキュレジキなのだ』と問うています。ここの村人たちの頭を悩ませる大きな疑問は正にこれなのです。」

キュレジキ地区の中心に住む住民は、ミサイル防衛システムが設置されることを非常に不快に感じている。キュレジキの住民は、システムが設置される場所が居住区にとても近いとし、丘の周りには7つの村があり、システムから最も遠い村でも3キロメートルしか離れていないと述べた。数人の村人はというと、トルコの政策は間違っていると指摘する一方、「このミサイル防衛システムはそれ自体が脅威なのです。これはアメリカとイスラエルの防衛システムなのです」とし、ミサイル防衛システムがキュレジキ地区に設置されることに反発を示した。

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( 翻訳者:釘田遼香 )
( 記事ID:23971 )