エルドアン首相、アラブ連盟外相級会議でイスラエルを非難
2011年09月13日付 Milliyet 紙


レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、「国連をはじめとする国際社会は、イスラエルの一方的でわがままな振る舞いを容認し、この非人道的な行動に目をつぶることを続けるのならば、犯した罪の加害者として記憶されることから逃れられない」と話した。

エルドアン首相はアラブ連盟外相級会議で行った演説で次のように語った。

「イスラエル政府の政策がもつ攻撃性が、イスラエルの市民の未来を脅かしている。平和の前にある障害はイスラエル政府のものの見方、統治の態度である。イスラエル政府によって封鎖されているのは、実際にはイスラエルの人々である。さらに絶望的なことに、イスラエルによって市民を殺された国が求める謝罪や賠償要求にも耳を貸さず、自分自身を法の優位にいると思っている。そして、その直近の例が、マーヴィ・マルマラ号への攻撃を調査するために作られた委員会が作成したレポートにある。この機に再び言う、この報告は我々にとってなんの法的効力もない、今後ももたない。ガザに施行された封鎖を合法であるというほど、イスラエルの主張に則ったこの報告は我々にとって、アラビア語の表現で言えば「ke en lem yekün」、すなわち、何の意味もない。 ガザ封鎖を合法とするようないかなる決定も我々が認めないことをもう一度宣言する。

はっきりさせておきたいのは、国連をはじめとする国際社会がイスラエルの一方的でわがままな振る舞いを容認し、この非人道的な行動に目をつぶることを続けるのならば、犯した罪の加害者として記憶されることから逃れられない、ということだ。次のことはよく念頭に入れておくべきだ。イスラエルが合法的で、責任をもち、真摯で、人権や生存権を尊重した“ふつうの”国として行動してはじめて、その時自身が陥った孤独から逃れることに成功する。トルコは、イスラエルとの関係正常化のために必要な条件をすでに提示している。イスラエルが謝罪をせず、殺された殉教者達の遺族への賠償を払わず、ガザの封鎖を解除しないかぎり、トルコ・イスラエル関係の正常化は論外である。」

■パーマー報告書

エルドアン首相はパーマー報告書が正式発表前に、メディアに漏れた直後、イスラエルとの関係におけるいくつかの措置をとったと述べ、この決定により、トルコ・イスラエルの外交関係を次席書記官レベルへ引き下げ、二国間の軍事同盟を凍結したと、述べた。

またエルドアン首相は、東地中海に最も長い海岸線を有する国であるトルコが同海上での航海の自由のために必要なすべての策を講じると表明し、トルコがイスラエルの行っているガザ封鎖を認めないことを明らかにした。さらに、エルドアン首相は次のように述べた。

「イスラエルが2010年5月31日以来、ガザに対して行なっている封鎖を国際法廷で審議することを求める。このために国連総会が行動をとるよう、調整をはじめる。イスラエルの攻撃で被害をうけたトルコ人や外国の犠牲者達の損害賠償の法廷闘争に対して我々はあらゆる支援を行なう。いかなる国も国際法の上にはおらず、法は一部の国だけに有効なものではない、あるはずがない。より公平で、より生きやすく、より安全な世界秩序のために、個人同様、国も、犯した殺人罪の賠償をしなくてはならない。テロの罪の代償を支払わなくてはならない。トルコは、自国と国際法に対して行なわれた全てのテロ行為に対する声を大きくし続け、このテロ行為が罰せられるために必要なことをし続ける。今回、親愛なるアラブ連盟事務局がイスラエルと我々との関係において我々が取った措置に対し、支持に寄せてくれたことに、もう一度この場で感謝を捧げる。この支持とお互いの協力関係が、ガザ封鎖がいかなる合法性もないことを証明する目的で国際法廷で我々が始めようとしているプロセスのおいても続くことを確信している。」

■イスラエル・パレスチナ問題

エルドアン首相は、イスラエル・パレスチナ問題は、国同士の問題を越えて人道上の問題であることを強調し、「何十年にも渡る問題である。中東だけでなく、世界平和の観点から言っても決定的な問題である」と語った。

エルドアン首相はカイロでアラブ連盟外相級会議の開会式で演説を行なった。パレスチナの問題を“踏み潰されようとする人間の尊厳を守るための闘い”であると常々述べていたとのべ、したがってこの問題は単にパレスチナとパレスチナ人だけのものではない。正義や法、を守ろうとするすべての国や国民に共通の問題であると述べた。

「この問題はどこにでもあるような問題ではない。イスラエル・パレスチナ問題は、国家間の問題を越えた人道上の問題であり、何十年にも渡る問題である。中東だけでなく、世界平和の観点から言っても決定的な問題である」と話したエルドアン首相は、トルコが位置する地域でおこる出来事は、中東問題の中心に位置するイスラエル・パレスチナの紛争が今置かれている現実を覆い隠すことはできないと発言した。そしてエルドアン首相は次のように言葉を続けた。

「イスラエル・パレスチナ問題はもはや当初の次元を超え、国際秩序の正当性を決める問題になってしまった。ガザの現状は、国際秩序の権利や法、正当性といった概念が何を意味するのかをカオスに陥れている。この問題での現状維持はもはや不可能である。迫害に基づいて政治を行なう者、迫害の永続、暴力絶対主義をとるものは、最後には必ず敗北する。問題はとても明確ではっきりしている。我々の兄弟パレスチナ人は、切望する国を今こそ手にするべきだ。そのためパレスチナ国家を承認することが唯一の正しい道である。これは1つの選択肢ではなく義務だ。

パレスチナの人々のこの正しく正当性のある闘いを我々は全力で応援しなくてはならない。アッラーがお許しになるなら、今月末までに、国連でのパレスチナの地位は違うものとなる可能性がある。この目的に向けて、パレスチナの兄弟たちと協力するべきであり、共同の努力を毅然として続けていかなくてはならない。

もはやガザのムハンマド、ナブルスのアイシェ、ラマッラのイブラヒム、エルサレムのゼイネップ、エルハリルのオスマンの旗が国連でたなびく時がやってきた。さあ、待ち望んだそのパレスチナの旗を一刻も早く一緒に掲げよう。さあ、パレスチナの旗を掲揚し、その旗を中東の平和と正義のシンボルにしよう。さあ、中東にふさわしい平和と安定の訪れに貢献しようではないか。」

エルドアン首相は演説を、会議の成功と、全地域・全世界のためによい結果がうまれることを祈る、という言葉で締めくくった。

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( 翻訳者:猪股玲香 )
( 記事ID:23998 )