ベルリン特別市議会選挙でトルコ人に「ベルリンの壁」
2011年09月18日付 Yeni Safak 紙


ベルリンで今日、特別市選挙が行われる。しかしドイツ国民ではない46万人は投票することができない。ドイツ国民でないトルコ人は、トルコでも投票できないため、民主主義の元で暮らしながら、民主的権利を行使できない新たな層を形成している。問題の解決のため、ドイツの現政権への圧力は強まってきている。

世界で最も進んだ民主主義国家のうちのひとつであるドイツであるが、首都ベルリンでおよそ50万人が投票できないという矛盾が生じている。ベルリンで今日行われる特別市選挙では46万人が、投票したくてもすることができない。なぜなら、彼らはドイツ国民ではないからだ。この現状は、政治と社会の間に断絶を生み、民主主義の重大な欠落となっている。この問題をトルコ人の有権者の視点から見ると、以下のような状況であるといえる。世界の民主主義の模範を示しているドイツで生まれ育ち、近年民主主義において重要な進歩を見せるトルコの国民である者たちは、投票することができない。彼らはトルコの選挙でも投票で きないため、「民主主義の元で暮らしながら、民主的な権利を行使できない」新たな層を形成している。

■ 解決法は見出せる

前回2006年の特別市選挙における投票率は58%で、投票者数は140万7754人であった。投票できなかった外国人をこの数字に加えると、投票者数の割合は50%以下にとどまる。最新の選挙アンケートでは社会民主党が31%で第一位、キリスト教民主同盟が22%で第二位である。この二党が明らかに多数の票を獲得して連立政権を組むとすると、全投票者数の25%の票を獲得したことになる。専門家はこの現状を、国籍取得の簡略化や、地方選挙、州選挙において 一定の条件を満たす外国人への投票権の付与などで解決する必要があるとしている。

■ すべてカルテル政党

ベルリン特別市選挙におけるその他の問題は、社会における野党の必要性に応える政党がどれになるかという問題だ。緑の党と左翼党は他の州では与党と連立を組んでおり、すでに「カルテル政党」であると見なされている。

■ トルコ人の希望は「BIG」

ドイツ統一以降17回目となるこの選挙を、これまでの選挙や他の州選挙と異なったものにしている要素は、トルコ人候補者である。今日の選挙では、ベルリンで合計40人ほどのトルコ人、またはトルコ系の候補者が競う。トルコ人が多く住むクロイツベルク第3選挙区で、社会民主党、キリスト教民主同盟、緑の党、 左翼党といったドイツ四大政党の候補者がトルコ人であることは大きな反響を呼んだ。また、ベルリンでトルコ系の候補者数の合計が40人近いことは注目に値 する。社会民主党5人、キリスト教民主同盟2人、左翼党10人、緑の党4人、自由民主党1人のトルコ系の候補者が擁立されるほか、候補者の大部分がトルコ 人である革新公正同盟党(BIG)がベルリン特別市選挙に初参加する。

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( 翻訳者:菱山湧人 )
( 記事ID:24010 )