アメリカを金融危機に陥れた忍者ローン、トルコにも
2011年09月25日付 Milliyet 紙

銀行業界において、「忍者ローン(Ninja kredisi)」への注意喚起がなされた。アメリカで金融危機を起こし、「忍者ローン」と名づけられた、収入のない人たちへ貸し付けられるローンに似たものがトルコにも存在することを確認した銀行監視調整機構(BDDK)は銀行に注意を促した。

アメリカで金融危機を起こした「忍者ローン」という、収入のない人たちへ貸し付けられる住宅ローンに似たものが、トルコにも存在することが明らかになった。

銀行監視調整機構(BDDK)は、銀行員‐不動産屋‐顧客という三者間の不適切な処理の結果として用いられるこのタイプのローンを詳しく調べた。BDDKの調査によると、最も多く行われた抜け道は、「住宅価格を高く見せ、住宅価格全体をローン化すること」と、「虚偽の自己申告を行うこと」であるという。特に一部の銀行が、「不動産会社奉仕プログラム」を設定し、その不動産会社の仲介によって組ませたローンで、収入申告の虚偽のあることがわかった。調査ではまた、まったく収入のない、または最低賃金で働く人たちが虚偽の収入申告をしている例もあった。

例えば、最低賃金で働くある人が、不動産会社や他の会社から申告書を入手する。申告書にその人の収入を1500~2000リラと書く。銀行員も購入される住宅を抵当として確保しているため、虚偽の自己に見てみないふりをする。2008年の世界金融危機の発端となったアメリカで、一部の銀行が全く収入のない人たちにローンを組ませていたことがわかっている。銀行業界ではこの種のローンを、「no income, no job, no asset(収入なし、仕事なし、資産なし)」を短縮し、「忍者(Ninja)ローン」と呼んでいる。より多くの手数料を取るために行われるものと見られる。BDDKの監査官は、住宅ローンで不正が行われる理由も調査した。調査では、不動産会社と銀行員が、組ませた住宅ローンから手数料を取っていたことがわかった。これによると、銀行員は組ませたローンの報酬として銀行から手数料をうけ取る、もしくは自身に認められた割り当て額を満たす。仲介するブローカーもまた、同じローンから手数料を取る。住宅ローンを組む顧客は、まったく金を使わずに住宅価格全額のローンを組んで住宅の所有者になる、という仕組みである。

■ 不動産会社によって組まれたローン、調査へ

BDDKは、不適切な処理の結果組まれる住宅ローンによって今後問題が起きないように、銀行に対策を講ずるよう要請し、また不動産会社の仲介で組まれたすべてのローンを調査するよう命じた。また、監査官もこの枠組みで使われる住宅ローンの調査を始めた。調査の中で、疑わしいと見られる住宅ローンで、収入の確認が行われる。銀行に申告された収入と、顧客の本当の収入が合っているか確認される予定である。

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( 翻訳者:菱山湧人 )
( 記事ID:24083 )