アフマディーネジャード大統領、国連総会で演説:アメリカを動揺させる
2011年09月25日付 Jam-e Jam 紙

大統領「9.11という不可解な事件は中東やその石油を支配するための口実」

 今年の国連総会における我が国大統領の演説は、各国の代表者らへの問いかけを伴うもので、総会に出席していたアメリカ使節団を動揺させる内容であった。アメリカ使節団や西洋諸国の一部代表者らは、大統領のこれらの問いかけに対して、退席という形以外で回答を示すことはできなかった。

 イラン国営通信(IRNA)の報道によると、マフムード・アフマディーネジャード大統領はテヘラン時間の木曜日に国連総会で演説を行い、〔世界の〕多くの国民は現状に満足してはいないと強調した上で、「戦争や殺戮、拡大する貧困、経済的・社会的・政治的危機、差別、恥辱、利己主義、安全の欠如などが〔世界の〕諸国民の権利や個性を損ない、取り返しのつかない苦痛と損害を〔諸国民に〕押し付けている」と述べた。

 同氏は、これらの問題の本質的原因は国際問題を管理する体制や世界の運営方法にあると指摘し、〔自らがこれから行う〕幾つかの問いかけに注意を払うよう出席者らに呼び掛けた。

 アフマディーネジャード大統領は出席者らに、次のように問いかけた。

誰が詐欺行為やシオニストたち、そして60年以上にわたる戦争によって、パレスチナ国民やその他の〔中東〕地域の諸国民に難民状態やテロ、殺戮といった境遇を強いてきたのか。そして誰がこういった状況を支援してきたのか。武器の販売や、その武器を消費するための戦争を引き起こすことに依存しているのは、一体どこの国の経済だというのか。

 同氏はさらに、「サッダーム・フセインがイランに対して攻撃を仕掛け、8年間の戦争を押しつけ、化学兵器を使用し、都市攻撃をしたときに、彼に装備を提供し、彼を焚きつけたのは一体誰なのか。中東地域やそこの石油を支配する為に、9.11という不可解な事件を口実に、アフガニスタンやイラクを占領し、数百万の人々を殺傷ないし流浪の民にしたのは、一体誰なのか」と続けて問いかけた。

 大統領は世界で最も借金の多い国はどこかとの問いを提起した上で、「年間一兆ドル以上、つまり世界の全ての国々の軍事費を足したものよりも多くの軍事費を確保し、あらゆる口実を用いて、絶えず独立国家に対して軍事攻撃の脅迫をしているのは、どの国であるか」とも問いかけ、更に続けて、「何千発もの爆弾を今すぐにでも〔世界の〕諸国民の頭上に落とす用意ができているにもかかわらず、危機的状況に陥っているソマリアやその他の地域の人々に対して些細な支援を届けるためには、数カ月も必要であるような国とは、一体どこの国のことか」と述べた。

 大統領はまた、国連安保理を支配している国々についても疑問を呈し、それを終えると、「類似の疑問はまだまだある。言うまでもなく、これらに対する答えははっきりしている」と述べた。

 大統領はさらに「世界のほとんどすべての国はこれ〔=国連安保理〕にまったく関わることができずにきたし、今もできていない。むしろ〔安保理の〕犠牲者そのものであり、これまで多くの損害を被ってきた」と指摘した上で、「まさにあの奴隷所有者、植民地主義者、そして2回にわたって世界大戦を引き起こし、その後も今日に至るまで混乱を引き起こしてきた者たちが、イメージを変えながら、安保理を、そして世界の主要な政治・経済機構を支配してきたのである。このことは火を見るよりも明らかだ」と述べた。

 大統領はまた、「一部のヨーロッパ諸国がホロコーストを理由に、60年が経ってもいまだにシオニストたちに賠償金を支払っているのであれば、奴隷制や植民地制度の加害国が被害国に対し賠償金を支払ってはいけない理由がどこにあるというのか」と言明し、さらに「もしアメリカやNATO諸国が自らの軍事費の半分だけでも、自国の経済問題解決のために利用すれば、果たして経済危機の影響など、跡形もなく消えてしまうのではないか」と付け加えた。

 大統領はその上で、「アメリカの軍事・諜報基地は、ドイツに268カ所、日本に124カ所、韓国に87カ所、イタリアに83カ所、イギリスに45カ所、ポルトガルに21カ所、その他世界の各地に数百カ所存在するが、果たしてこうした状況は〔アメリカによる各地の〕軍事占領以外にいかなる意味があるというのだろうか。これらの基地に設置された核爆弾によって、〔世界の〕諸国民の安全は危険な状態に置かれているのではないだろうか!?」と問いかけた。

〔‥‥〕

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( 翻訳者:塩尻菜穂子 )
( 記事ID:24145 )