Eyup Canコラム:PKK「誘拐」の真実―解決に近道はあるのか?
2011年10月05日付 Radikal 紙

さあ「泣こうか、笑おうか・・・」と皆は言う。
私にはわかりようがない・・・。
さあ、あなた方が決めてください。
まず最初に、『グルグル』の今週の表紙・・・先週のPKK(クルド人労働党)によって誘拐された教師についてであるが・・・。昨日そのうちの4人が解放され、12人がまだPKKの手にある。どうか、注意深く検証してみてください。誘拐事件やこの地域性からみたPKKの真実を、これ以上大胆に誰が語れようか。そうです、ある意味これは茶番劇でもあり、現実でもあるのです。教師と生徒、保護者であるPKK党員。辛く、悲しくもあり、また滑稽で、ばかげてもいる。(訳者註:『グルグル』誌の10月5日号の表紙には、PKKテロリストと、そのテロリストに銃を突きつけられている教師の吹き出し付き漫画が描かれている。教師:「あなたはヌルジャンのお父さんですよね?先週の保護者会にいらっしゃいませんでしたね」、テロリスト:「先生、実は仕事がありまして。でもここでお会いできてよかった。何かお話しがあったら、いまここで・・・」)
どう思います、決めることができましたか?さて、2つ目に移りましょう。誘拐されてから38日後にPKKの手から逃れることに成功した、一兵卒アイクット・チェリッキ氏は検察当局に語ったそうです。そして、思いだしたことを1つずつ語ったというのです。その地域の現実を知らない人には信じがたいことでしょうが、「38日もの間カンディルではなく、シルヴァン山の中を引っ張りまわされた」と語っています。ザマン紙に掲載された、イブラヒム・ドアン氏の記事ですが。どうか我慢して読んでください。マルディンで歩兵の一兵卒として軍役についていたアイクット・チェリッキ氏は、妻の出産のためにムシュへ行く許可をとり、軍隊を離れました。しかし、ムシュへ20キロの地点で彼が乗ったミニバスの行く手が阻まれました。PKKは昼間に町と町を結ぶ道路で、郡長候補のケナン・エレンオール氏と、アイクット・チェリッキ氏を誘拐したのです。2時間ほど歩いた後、森の中でキャンプを張ったそうです。歩いている途中、2機のコブラヘリコプターが上空を通ったのに気付くと、ほら穴に入ったそうです。テロリストたちは空から気付かれるのを防ぐために、郡長候補と兵士に自身たちの使っている「Lesker(兵士)」という文字の刺繍された服を着せたそうです。しばらくして、上空をヘロンが飛んでいるのをみて、誘拐した人物が空から確認されないように「動くな」と指示したとのことです。チェリッキ氏は郡長候補と6日間を共にしたそうです。「つかまっていた地域でテロリストたちはずっとジリト(騎馬による槍投げ)をやっていた」と語っています。1時間半ほど目隠しされた状態で、ラバの背中に乗ってほかのほら穴につれて行かれたそうです。「私をラバから下ろして、足を鎖で縛りつけた。土がくぼんで洞穴のようになったところに押し込められた。7月12日に誘拐されていた医療スタッフのアイテキン・トゥルハン・ウズも洞穴のなかにいたことを知った。ほら穴には2人のテロリストが待機していた」
PKK党員らはアイクット・チェリッキを19日間このほら穴に閉じ込めた後、外に出して車で3時間ほど移動した。そして、「シェヒット・ケンダル」という名前の地域に到着した。一つのキャンプから他のキャンプまで38日の行程ですが、トルコ国境外での出来事なんて思わないように。チェリッキ氏は聴取で何度も「38日ものあいだ、カンディルではなく、ディヤルバクル-ムシュ間を歩き回らされたのだ」と語っている。さらには「私たちがいた場所の少し先には、夜に、明かりが見えるものが左に一つ、右に一つ、つまり二つの軍の部隊が駐屯していた。テロリストたちが、昼間に双眼鏡を使ってそれぞれの部隊を監視していたのを見た。さらに、『レベル』というコードネームのテロリストは、夜ふけとともに5,6人の党員を従えて出かけて行った」
信じることは難しいでしょうか?さあどうぞ、そのままチェリック氏の逃走劇をお聞きください。
「私は捕まっていた場所でトラックの音を聞いた。車道が近くにあることを知り、脱出を計画した。用を足すために『ハムザ』というコードネームのテロリストに許可を申し出た。最初は静かに歩き、少ししてから駆け出し、そこから遠ざかった。ハズロ-シルヴァン-クルプへの分かれ道で止まってくれた(車の)運転手から携帯電話を借りた。まずは軍警察に、その後父に電話をした」
PKKはこの3か月の間で30人を誘拐しました。一部は解放され、一部はチェリッキ氏のように自分で逃げ出しました。昨日多くの都市でKCK(クルディスタン社会連合)掃討作戦が行われました。100人近くが捕まりました。これまでにKCK関係者の逮捕数は1000人以上に及びます。次第に、「殺戮マシン」と化したPKKは武器を手に取っているクルド人の権利を守ると主張しています。新しい憲法のためにすべての政党に呼びかけている政府は、「山で、平地で、そして都市部でPKKを叩き続けることによって」この問題を解決できると考えているのです。しかし一兵士のたった一人の「拉致と逃走」劇さえも、気心の知れた者らに「君は笑うか、泣くか?」と言わせています。言ったでしょう、私は知りません。何をすべきかはあなたたちが決めてください。

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( 翻訳者:奥 真裕 )
( 記事ID:24171 )