新構図―シリア・イラン連合 vs. トルコ・イラク連合
2011年10月12日付 Radikal 紙

シリアのアサド大統領は、国内の反体制派のもっとも強力な支持者がトルコであるとみなし、トルコにかわってイランを後ろ盾にしようと努力している。この変化は、トルコとイラク政府の接近をもたらしている。この4カ国の2極化の背後にある要因のひとつが、PKKとクルド問題である。

■イラク政府への接近

反政府派に容赦をしないシリアで、ついにクルド人リーダーのマシュアル・タンムー氏が殺害された。ここのところ、シーア派反体制派に対し、クルド人を自らの側のつけようとしてきたアサド大統領は、この暗殺を国内の他のシーア派反体制派の犯行としている。最近ではイランによる「(PKKのNo.2)ムラト・カラユラン逮捕」を報じたことでも知られるファルス通信も、ダマスカス発でこの主張を支持する報道をしたのみならず、4人のトルコ人がこの暗殺の実行者として逮捕された、と報じた。これにつづき、PKK内のシリア出身者グループのリーダー・Dr. バホズがシリアのクルド人に対し、「シリア政権に反乱をおこさないように」と呼びかけ、次に、イランが「PJAKのキャンプを押させた」との情報が流れ、また、「ムラト・カラユランは捕まったのか、捕まっていないのか論争」の話題が続いた。

シリアとイランがトルコに対し「PKKとクルド」カードを使うという戦略は、トルコの外務省や国家諜報局(MİT)によって綿密に追跡され、情報分析されている。両機関は、正しい情報を入手するため、イラク政府や、北イラクのクルディスタン自治政府との接触を強めている。

■カンディル・キャンプとマフムル・キャンプをめぐる取引き

この一環で、今日(12日)イラク外相ホシュヤール・ゼバーリー氏がアンカラを訪問し、ギュル大統領をはじめとする高官が出迎える。ゼバーリー外相がトルコのアフメト・ダヴトオール外相を訪問するのに先立ち、昨日(11日)来、イラクの事務次官がアンカラに滞在し、トルコの外務次官フェリドゥン・スィニリオール氏と会見、トルコ・イラク高次戦略協力評議会のための準備を行っている。

こうした場で、トルコはイラクに対し、イランとシリアが、イラクに存在するPKKに介入しようとしている状況を説明するとみられる。また、イラクのマーリキー首相が、シリアのアサド大統領に対し、「一党体制の終結」を呼び掛けたこと歓迎する旨を伝えた。PKKとの闘争に関しては、イラク政府ならびに北イラクのクルド自治政府が、PKKの人的・物資面での拠点となっている(北イラクの)マフムル・キャンプに必要な措置を取ることを求めるトルコは、マーリキー首相の、PKKとPJAKを排除するため最良の方策が北部への軍の派遣である、との発言を好感した。

トルコがイラク領内で軍事作戦を実施するのは本意ではないとするあるトルコの外交官は、マーリキー首相による「(我々イラクが、イラク領への)トルコの介入を望まないなら、我々自身の軍がイラクの北部を掌握せねばならない」との発言を重視しているという。しかし、この外交官は、同時に、「バグダードのイラク政府では、力不足だろう。しかし、北イラクのクルド自治政府にはこれができる。北イラク出身のクルド人であるゼバーリ外相と、タラバーニー・イラク大統領の支援を得ることが必要だ」と述べた。

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( 翻訳者:トルコ語メディア翻訳班 )
( 記事ID:24243 )