不適切スカーフ―スカーフが、おしゃれの犠牲になっている
2011年10月15日付 Zaman 紙

スカーフを着用する女性だって現代的で美しく着飾りたいと思うのは当然のことだ。しかし近年のファッションの流行傾向は、体を隠すという観点からは歓迎されざる外見を生み出している。そのような流行がすぐに受け入れられ、普遍化してしまうことも懸念される。

近年の流行ファッションの傾向は、体を隠す観点からは、まったく歓迎されえない外見を生む一因となっている。たとえばシルクのロングスカーフは、髪を隠す若い女性が全般的に選択する衣類となった。最近ではボイル地や絹地のショールがもっと今風だろう。

さて、スカーフを着用した若い女性(特に18歳~24歳)に注目してみると、きちんとしたシルクのヘッドスカーフを着用している女性がほんの少数だとわかるだろう。 学生であることや、ショール使用によって快適さが確保されるという影響は大きい。だがショールの巻き方が不適切になりはじめている。標準では、スカー フをまっすぐに巻くよう気が配るものだが、それに代わって、かなり不適切な三角形のひらひらを頭頂部に残すことに気をつかっているようだ。他人よりもひらひらしていることがそんなにおしゃれなのだろうか。

ショールをピン留めなしで着用するのもかなりトレンドとなっている。特に夏場ショールを着用している人たちのなかには、ピン留めをしない人がかなり多く、ショールが肩にかかったままの人が増えているのも目にした。

このようなショールの留め方だと、首があらわになり、耳にピアスがあるのが、ひと目でわかる。また、このはやりの留め方だと、ボンネットやスカーフ用内カバーを使用しないと、前髪が見えてしまう。もちろんスカーフの巻き方は本人の問題であるが、こうした見た目はイスラムにおける「ベール」の定義から著しく離れたものだ。インターネットサイト上で、若い女の子たちがスカーフのいろいろな巻き方を教えあっているのは、私にとっては皮肉だ。

■ミディアム丈のスカート

つぎに、ミニではないが、ロングとはとてもいえないミディアム丈のスカートについて。このスカートは、冬にロングブーツと合わせて履く分にはそれほど気にならないが、この服装が夏にもとなると、スカーフ着用者ファッションスタイルに不適切となってしまった。イスタンブルのファーティフのようなベールを着用した客が行き交う地区ですら、長くはないスカート丈を多く見かける。あるいは大きめのサイズのスカートを買い、ローライズに履きこなしたり、それですら満足せず購入しなかったりと。店にきくと、「お客様のご要望ですので」と答えが返ってきた。しかし希望の丈のスカートを見つけられない人が大半のようだ。

■肘丈のシャツ

昔はアームカバーがあり、カラーバリエーションも豊富だった。また、ボンネットのような商品もどこにでも売っていたはずだ。しかし今それらはまったく今風 ではない。ひじから下があらわになる半袖のブラウスをアームカバーなしで着用することについても、もはや多くの人は問題視していない。国際的なメーカーが 1年中製造している半袖のチュニックシャツは世界のどこでも普通になった。さらにはスカーフ着用女性の多くはこのようなシャツを、特に夏季、中にコルセットを着たくないという理由のために形を気に入っても買わないのだ。ベール着用者向けの服を販売する多くの店舗でも、やはり袖の短い服がみられる。

私たちがベール着用者の要望に沿った商品をそろえていると思っている店舗ですら、その需要を無視しているというのは驚きだ。もはや皆が、商品の袖が短いことなど気にかけていないことも、この状況を生む原因となっている可能性が高い。

上着メーカーの企業カタログで、半袖姿のモデルがシャツやコルセットを着用せずにポーズをきめているのをみるのも嘆かわしいことだ。

不適切リストは、ショールの巻き方、半袖シャツ、ミディアム丈のスカートにとどまらない。口を出せる細かな部分は山のようにあるのだ。スカーフを着用する人々が今風できれいな服装を望むのはもっともだし、人として当たり前の状態だ。でもその時、ベールすることは大いにないがしろにされている。はやっているからとショールをひらひらさせ、ピアスをつけた耳が見えたり。そのような流行がすぐに受け入れられ、普遍化してしまうことも懸念される…。

■気になる点リスト

・首・耳が見えるようなスカーフの巻き方
・半袖のシャツ
・長くも短くもないミディアム丈のスカート
・いまではスカーフ着用者も膝下丈のスカートを履いている。スキンカラーの靴下、膝下丈スカート、それにスカーフを合わせるとかなりちぐはぐとなる。
・スキニージーンズの上に丈の短いチュニックを着ること。
・鳥の巣のように中につめものをしてスカーフを巻く、盛り髪スタイル。審美的な観点からもベール(の意味)の観点からも遠ざかっている。
・ボンネットやスカーフ用内カバーを使用せず、髪が前から見えてしまう新しいスタイル。
・目下流行中のスキニージーンズ。ご存知のようにレギンスと短いチュニックをあわせる。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:24250 )