トルコ訪問のイラン外相、「カラユラン逮捕・釈放は誤報」、対PKK協調を約束
2011年10月21日付 Hurriyet 紙


アフメト・ダウトオール外相の招待でアンカラを訪問している(イランの)アリー・アクバル・サーレヒー(外相)は、テロとの戦いに対し、トルコ に協力すると約束した。会談後に記者会見に臨んだ(イランの)サーレヒー外相は、「ムラト・カラユランは捕まえられなかったのです」と語った。

ダウトオール外相は、サーレヒー外相との会談で、クルド労働者党(PKK)とクルド自由生活党(PJAK)のテロに対し、協力していく方向で合意したと発表した。イランの同外相は、PKK-PJAK問題が、両国にとって共通の課題であると強調し、イラン政府がテロとの戦いでは、トルコを支持する立場を明確にした。

■テロとの戦いは共通課題の筆頭

ダウトオール外相は、PKKが中東地域における平和とトルコ・(北イラクの)クルド・イランの連帯を脅かしているとし、「テロとの戦いのためのはっきりとしたシステムが構築されました。PKK、PJAKに対する闘争は今後も確実に続くでしょうし、両国が共同行動をとるために協力体制がとられることでしょう」と語った。

会見の冒頭でトルコ国民へ哀悼の言葉を述べたサーレヒー外相は、「トルコの問題は我々の問題ですし、我々の問題はトルコの問題でもあります」と語り、イラン政府がテロとの戦いで協力することを決定したと強調した。同外相はまた、アンカラの訪問は当初はもっと先を予定していたが、チュクルジャの襲撃事件があって予定を早めたと明らかにした。

■カラユランの謎

サーレヒー外相は、「PKKのムラト・カラユラン党首がイランで逮捕され、のちに釈放された」とイランのメディアでの報道に関する質問に対し、「カラユランはイランで捕まったことはただの一度もない。捕まっていれば釈放する理由などない。トルコの関係者たちに引き渡したはずだ。我々がトルコ側には内緒にしておこうなど思うはずもない」と語った。

報道各社は、今年8月、イランの関係者の情報に基づいて、カラユラン逮捕のニュースを報じた。しかしこのニュースはいかなる情報筋からも裏付けがとれなかった。その後PJAKのナンバー2が逮捕された可能性が報じられたが、カラユランはPKK寄りの報道機関を介してその報道を否定した。

ダウトオール外相はこの問題に関し、「トルコとイランは、PKKとPJAKのいずれであろうとも異なる対応を認めていません。特に昨今、トルコとイランの友好関係を傷つけるような報道が多くありますが、我々の信頼関係は変わりません」と述べた。

■EUへPJAKに関する非難

サーレヒー外相は、EUがPJAKをテロ組織として認定していないことを非難し、「(トルコの)ダウトオール大臣にも協力していただき、この問題をEU各国に喚起したい」と語った。両国大臣は第14回トルコ・イラン高等安全協議会が近く行われると発表した。

■カッザーフィー(カダフィ)後のリビアとシリア

両国の大臣の会談ではまた、カッザーフィー後のリビアとシリアのような地域的な展開についても取り上げられた。「トルコは、今日まで常に中東地域の国民の、民主主義に対する要求を支持してきました。かねてからリビア国民が欲してきた民主主義が少しでも早く実現し、そして民主主義の体制(構築の努力)が続くことを望みます。」ダ ウトオール外相がそう語る一方、サーレヒー外相は42年に及ぶリビアの体制をひっくり返したリビアの民衆に祝辞を述べた。

サーレヒー外相はまた、政府が自国民の正当な要求に対し、肯定的に対応し、改革が加速される件で、トルコとイラン両国の見解は一致していると強調した。「この過程に他国が干渉しないことが必要です」と語った。

ダウトオール大臣は、シリアの民主化が実現し、軍事作戦が早々に終わるという点でも見解は一致したと説明した。

■「ワシントンから我々へもたらされた情報も共有した」

ダウトオール大臣は、イランとサウジアラビアがアメリカ人大使の暗殺を計画していたという情報についてコメントした。同相は「私はアメリカから我々に伝えられた情報をサーレヒー大臣に伝えました。大臣はこのような主張は全くの事実無根だと言いました。イランがこのような(暗殺などという)行動をとるとは思えません。しかしアメリカ側は証拠があるというのです。サウジアラビアでもこの件でいくつかの主張があります」と述べた

ダウトオール外相は、重要なのは、こうした情報を共有し、必要な一歩を踏み出すことだとし、「暗殺計画をはかったことはおろかそうした構想すら認めかねます」と話した。

サーレヒー外相は、「この件はスキャンダルとして全世界に明らかにされた。こうしたことがイランに向けられたとしても驚きはしない。革命から32年が過ぎました。イランはこうした事件に一切関わっていません。ひどい扱いをしたものです。そういう情報を流した者たちがいかなる事態に直面するか見物です。」

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( 翻訳者:杉田直子 )
( 記事ID:24307 )