司法権長官、アメリカが中東地域で犯した犯罪行為に対する捜査着手について言明
2011年10月20日付 Jam-e Jam 紙

 司法権長官は、イランや他のイスラーム教国に対してアメリカが犯した犯罪行為の特別捜査に着手するよう、検事総長ならびに司法権人権本部に命じた。

 司法権広報部の報告によると、アーヤトッラー・アーモリー=ラーリージャーニーは昨日の司法最高責任者会議の席上、アメリカの犯した犯罪行為の特別捜査を開始することが必要だと強調し、「この問題では、我が国や他のイスラーム諸国に対して同国が犯した犯罪行為に関して、しっかりとした内容の起訴状を作成することが重要だ」と語った。

 司法権長官は、〔国連の〕人権状況特別報告書が、イランで人々が〔不当に〕拘束されていると主張していることについて触れた上で、アメリカ政府に向けて「あなた方はご自身の国で、数日間のうちに800人もの人々を極めて粗っぽい方法で拘留したではないか。にもかかわらず、あたかもこの問題には目を向けていらっしゃらないようだ。〔イランの〕人権本部はこれら問題をきちんと記録し、根拠を明確にした上で、世界に発表することが必要だろう」と語った。

〔‥‥〕

人権特別報告官の報告書は根拠薄弱で正確ではない

 アーヤトッラー・ラーリージャーニーはアフマド・シャヒード〔国連〕人権特別報告官がイランに関して提出した報告書について、この報告書は根拠薄弱で不正確、かつ証拠に欠けるとして、「この報告書が制作された方法は明確ではなく、また正しくもない」と述べた。

〔‥‥〕

私たちは西洋流の人権を受け入れない

 司法権長官は、キサース(同害報復刑)をめぐる問題について触れ、次のように述べた。

人権状況報告書のなかで指摘されているキサースや相続などに関し、彼ら〔=国連および国連を動かしている西洋諸国〕のいう問題は、〔西洋諸国がイランに対して仕掛けている〕政治的ゲーム〔という文脈〕のなかで理解することが必要であるように思える。というのも、ムスリムはみな、些細な相違があるにせよ、キサース刑やハッド刑、相続を受け入れ、それにコミットしているにもかかわらず、西洋諸国はこの問題を、イランにおける人権問題として提起しているからだ。

※訳注:キサース刑は同害報復刑であり、殺人の罪に問われた者は死をもって償うことになる。キサース刑の要求は被害者、あるいは被害者家族の権利である。ハッド刑はコーランやハディースに明記され、人間の意思で増減することの不可能な身体刑のこと。キサース刑及びハッド刑はいずれも、イスラーム法における残酷な刑罰の一例として指摘される。また、伝統的なイスラーム法では、女性は男性の半分しか相続できない。そのため相続問題は、イスラーム法における女性差別の一例として、しばしば取り上げられる。

 アーモリー=ラーリージャーニー氏は、〔西洋諸国が〕キサース刑にいちゃもんを付け、それを人権侵害〔の代表例〕と見なすのは、イスラーム思想と西洋の自由主義思想の間に基本的な違いが横たわっているからだとの見方を示し、次のように語った。

我々が自由主義的な意識構造の下に進んで歩み寄るようなことはない。むしろ我々は、次のような疑問を提起する。すなわち、もし誰かが殺人を犯し、司法制度が遺族に対して、イスラームの規定に従い、あなた方には〔加害者を〕キサース刑〔※ここでは死刑〕あるいは赦免にする権利があると宣言するならば、〔‥‥〕こうしたやり方は人権に反すると言えるのか?逆に、他人を残酷な方法で殺害した殺人犯が数年後に釈放されるような状況が、果たして人権的だなどと言えるのか?、と。


〔‥‥〕

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( 翻訳者:8409088 )
( 記事ID:24364 )