ロバの骨があればアメリカに渡航可能?:女性らを欺していた占い師が逮捕
2011年10月27日付 Jam-e Jam 紙


 占い師の男が渡米のためのお手伝いと称して、2人の中年姉妹を欺す事件が発覚した。男は、ロバの骨を携帯すれば簡単に空港を通過することができるなどと言っていた。

 ジャーメ・ジャム紙の取材によると、事件が発覚したのは今年のシャフリーヴァル月24日〔9月15日〕、2人の姉妹が占い師の男に欺されたと訴え出たことがきっかけだった。これを受け、テヘラン刑事警察第9基地の警官らは本件の捜査に乗り出した。

 被害者らを取り調べた結果判明したのは、占い師の男が、アメリカに渡航するためのお手伝いをすることができると称して、彼女たちから数百万トマーン〔100万トマーンは約7万5千円〕ものお金を詐取していたことだった。

 被害者のうちの一人は、どのようにして詐欺占い師の男と知り合ったのかについて、次のように述べた。

ドルを買いに、テヘラン北部の、とある銀行を訪れた時のこと、私はある女性と知り合いました。彼女は夫と深刻な不仲状態に陥り、問題解決のためにある占い師の家を訪れて幸運の処方箋を購入したところ、数週間で夫の態度が見違えるようになった、と言っていました。

 被害女性は次のように続けて、事の顛末を詳述した。

その見知らぬ女性は私に、もし興味があるなら、占い師の男性を紹介してもいい、そうすればあなたの問題も解決するはず、と持ちかけてきました。私は彼女を信頼するようになりました。占い師の自宅の住所を教えてもらい、妹(姉)と一緒に〔テヘラン南部の〕シャフレ・レイにある彼の自宅を訪ねました。

最初に会った時、占い師の男は水が一杯に入った椀を私たちの前に置き、それからおもむろに「強力な呪文があなた方お二人にかけられていますね。なかなか解けませんよ」などと言ってきました。

占い師の男が〔知らないはずの私たちの〕生活状況について少し話してきました。これを聞いて、彼なら私たちの渡米に関する問題も解決してくれるはずだと、私たちは確信しました。私たちは占い師に、アメリカに住んでいる親戚が渡米のための招聘状を私たちに送ってくれたにもかかわらず、渡米がなかなか実現しないという悩みを打ち明けました。

占い師の男は私たちの話を聞いて、処方箋を書けば問題は解決するはずだと言ってきました。彼は祈祷の言葉が書かれた紙を読み上げ、それをハンカチに書き写し、私たちに渡しました。1ヵ月間、それを服のなかに忍ばせておくように、とのことでした。

私たちは男の言う通りにしました。しかし、よい結果は得られませんでした。そこで再度、占い師に会いに行きました。しかし〔やはりよい結果は得られず、そこでまた会いに行くと〕毎度のように言い訳をして、1年間私たちを欺し続けました。〔‥‥〕そしてついに、彼は古びた骨を私たちに渡しました。庭に埋めるか、あるいは部屋の片隅に置いておくように、とのことでした。家族にこのことを言ってはいけないと、口止めもされました。

1年が経ちました。しかしそれでも、私たちは渡米できずにいました。その時点で占い師はすでに400万トマーン〔約30万円〕を私たちから得ていました。

1ヶ月前、私は再び占い師に会いに行きました。すると今度は、「あなた方の人生には強力な呪文がかけられている。問題を解決することはできない。渡米の際、ロバの骨を最後まで携行する以外にない」と言ってきました。

私たちは2千万トマーン〔約150万円〕を支払い、占い師の男の言う通りに、幸運の処方箋が書かれたシャツを身につけ、ロバの骨をスーツケースに忍ばせて、ドバイにあるアメリカ大使館を訪れ〔ようとドバイに行き〕ました。〔占い師の指示によって入国の際〕ドバイの空港警察にパスポートを提示する前に、骨に息を吹きかけ、空港にいる係官に祈祷の文句を読み聞かせることになっていました。

こうしたことを、私たちは互いに空港〔の入国審査〕で行いました。ところが、〔ドバイへの渡航目的を聞いてきた〕空港の係官は私たちのパスポートを見るや、「アメリカに渡航することは、あなた方にはムリですよ」と言ってきたのです。そこで私たちはもう一度、スーツケースからロバの骨を取り出して、祈祷の文句を唱えながら、空港係官の前に置きました。すると、係官は驚いて、他の係官を呼びました。私たちは彼らに不審者だと思われ、逮捕されて、ドバイから退去させられてしまいました。

テヘランに戻ると、私たちはすぐに占い師の自宅に行きました。ところが、彼はすでに行方をくらませていました。

 彼女らの訴えを受け、〔‥‥〕詐欺占い師逮捕に向けた捜査を続けたところ、ついにシャフレ・レイの近郊にある男の新居を発見し、2日前に同容疑者を逮捕した。

 中年の占い師は刑事警察に移送され、そこで取り調べを受けた。容疑者は「16年前から、各地を転々として占いをしてきた。しばらく前にシャフレ・レイにやってきた。人々に嘘を言っては、詐欺を働いてきた。2人のテヘラン女性も欺した」と供述しているという。

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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:24368 )